空白期 第9話 「聖剣との出会い」
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3学期も無事に終わり春休みに入った。この休みが終われば俺は進級して4年生になるわけだ。
高町達は「進級してもまた同じクラスだといいね」と言ってくれている。そのことを嬉しくは思っているのだが、俺にはシグナム達やシュテル達との付き合いもあるため、学校くらいは静かに過ごしたいと思ってしまうときがある。
――まあ……一緒になったらなったですんなりと受け入れるんだろうけど。別に高町達と一緒にいるのが嫌ってわけでもないし。
ふと思ったが、去年までとずいぶんと俺の対人関係が変わったものだ。去年までははやてくらいしか親しい付き合いをしている人間はいなかったというのに、高町達やアースラのクルー、ヴォルケンリッターと幅広い年代と親しくなったのだから。
「……そういえば、少し前まで変わらないといけないって思ってたよな」
変わりたいとあまり思わなくなったのはいつからだろう……いや、思わなくなったんじゃなくて意識が変わったのか。
多くの人と親しくなったわけだが、喜びや楽しみといったプラスの感情があるわけではない。今に至るまでにジュエルシード事件や闇の書事件といった悲しい出来事があったのだから。
プレシア・テスタロッサにリインフォース……フェイトやはやてにとって大事な人。そして、俺が助けようとしたけど助けることが出来なかったふたり。最後に彼女達のことを頼んで逝ってしまったこのふたりのことは今でも……きっといつまでも忘れることはない。
プレシアの最後の言葉にリインフォースとの約束。これによって漠然としていた変わりたいという想いは、守るために強くなりたいといった想いに変わった気がする。
「あれ? ショウくんじゃん」
意識を声の方へと向けると、人懐っこい笑みを浮かべている女性がこちらに軽く手を振りながら歩いてきていた。
「やっほ〜」
このように挨拶をしてくるのはクロノの補佐官であり、アースラの通信関連の主任でもあるエイミィくらいしかいない。
「久しぶり。元気そうだね」
「それだけが取り柄だからね!」
いやいや、補佐官兼通信主任を務めてるんだから元気だけが取り柄じゃないだろ。
そのように言いそうになったものの、言ったら言ったでエイミィは調子に乗りそうなのでやめておくことにした。
「ところで今日はどうしたの? なのはちゃん達にお仕事の予定はないはずだから……クロノくんにでも会いに来た?」
「いや……」
「クロノくんじゃない……はっ、お姉さんに会いに来てくれたのか!?」
ここでその発想になるあたり、エイミィは実に柔軟な思考をしている。
俺の記憶が正しければ、エイミィはクロノをからかうのが趣味だと言っていた気がする。日頃から彼女の相手をしているクロノはきっと大変だろう。俺にはシュテルがいるの
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