空白期 第9話 「聖剣との出会い」
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いるし、通常のデバイスでは持たないような馬鹿げた魔力を所持しているわけでもないのだから。
「俺だけですか?」
「うん。この子は……これまでに集められた君のデータを使って作られたユニゾンデバイスの試作型なんだ」
ユニゾンデバイスという言葉に驚きを隠せなかった俺は、視線をセイクリッドキャリバーのほうへと向けた。彼女はこちらの視線の意味を理解できていないのか小首を傾げている。
俺のデータが使われたこと、ここ最近忙しくしてたことからしてもマリーさんだけじゃなくてレーネさんやシュテルあたりも製作に関わってる可能性が高い。俺がマスターに選ばれたのは、おそらく適正の問題からだろう。
「……俺がマスターに選ばれた理由は何となく分かりました。でもユニゾンデバイスなら俺以外に作るべき人がいますよ」
「あぁ……うん、はやてちゃんだね」
「はやてのこと知ってるんですか?」
「うん。私、レイジングハート達にカートリッジシステムを組み込んだことが縁ではやてちゃん達のデバイスの調達とか調整してるから」
さらりと言われたが、インテリジェントデバイスであるレイジングハート達にカートリッジシステムを組み込むことが容易なことではなかったこと。はやて達の魔力に耐えられるデバイスの調達や調整が難しいことだというのは俺にだって分かる。
態度からはあまり読み取れないが、このマリーという人は将来的に技術者として名を残すのではないだろうか。叔母に面識があるために毎日のように徹夜するようになるのではないかとも思うが。
「完成はまだ先になるだろうけど、はやてちゃん用のユニゾンデバイスの製作も始まってはいるんだ。この子はずいぶんと前から製作されてた子だから、はやてちゃんのことを蔑ろにしたわけじゃないってことだけは分かってね」
「はい……冷静に考えれば、こんな短時間ではやて用のデバイスができるはずないですから。……えっと、大分話が逸れましたけど、確かこの子のマスターになってデータを取るのに協力するかって話でしたよね?」
「うん……別に強制じゃないから断ってくれてもいいからね。一般のデバイスとは違うし、試作型だから何かしら起こる可能性はないとは言えないから」
確かにユニゾンデバイスということは融合事故などが起こる可能性はあるということだ。
しかし、俺がマスターにならなければセイグリットキャリバーはどうなるんだろう。俺以外に適正がある人間がいればいいが、いなかった場合は最悪処分ということもありえるのではないだろうか。
この子には意思があるんだ。こちらの勝手な理由で作っておいて処分というのは彼女に対して申し訳ない。それに上手くデータを取ることが出来れば、はやて用のユニゾンデバイスの製作速度も速まり安全も上がるかもしれない。
あのときリインフォースは
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