空白期 第9話 「聖剣との出会い」
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
叔母と面識があることには驚きはしなかったが、ここまで気さくに話しかけてくるとは思っていなかったので戸惑ってしまった。
……そういえばさっきエイミィが自分の後輩だって言ってたっけ。彼女の後輩だと考えるとすんなりと納得できる気がするから不思議だ。
「えーと……マリーさん、今日は俺に何の用なんですか?」
「あーうん。それはね、実は君にお願いしたいことがあるんだ」
「お願いですか?」
確かエイミィはマリーさんの仕事は主に魔導師用の装備のメンテナンスと言っていた気がする。それを考えると、お願いというのは調整したもののテスト。もしくは叔母に俺からもお願いしてほしいことがあるといったところだろうか。
「うんお願い。そのお願いっていうのはね……この子のデータ取りに協力してほしいんだよね」
マリーさんが俺の目の前に置いたのは、従来のものとは一風変わった形のケース。彼女がスイッチを押すのと同時に開き始め、中からおよそ30cmほどの金髪の少女が現れた。大きさからしてデバイスの類だということは予想できる。
「……問おう。貴方が私のマスターか?」
「え……」
「……マリエル・アテンザ、何やら反応が鈍いようですが?」
「あはは、ごめんね。まだ具体的なこと言ってないんだ」
マリーさんの言葉に騎士のような衣服を着た少女は淡々と納得する。それを見た俺は人型デバイスについて多少なりとも知っているために、表情の少なさから稼働し始めて間もないのだろうと推測した。
「えっとね、この子はセイクリッドキャリバー。長いからセイバーって呼んでる人もいるよ」
「はあ……えーと、それでマリーさんのお願いって言うのはこの子のテストマスターになってほしいってことですか?」
「おっ、話が早いね」
データを取るだけでなく、少女から自分のマスターかと聞かれたのだから推測するのは簡単だと思うのだが……今の俺では子ども扱いされるのは仕方がないか。
「……あの、ひとつ聞いてもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
「マスターって俺じゃないといけないんですか?」
この少女がどういう経緯で作られたのかは分からないがファラという存在がいる以上、普通に考えれば何かしらに特化している。もしくは全体的に改良が施されているはずだ。
俺の魔力資質は良く言えば万能だが、器用貧乏とも言える。特化型のデバイスのデータを取るのには向かないし、高性能すぎるデバイスの場合はマスターとしての力量が不足しているはずだ。
「データを取るだけなら人材は結構いると思うんですけど」
「確かにショウくんの言うとおりなんだけど、この子の場合は君にしか頼めないんだ」
俺にしか頼めないデバイス……普通に考えればそんなものは存在しないはずだ。俺にはファラという相棒が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ