空白期 第9話 「聖剣との出会い」
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で代わりに相手をしてくれと言われても断るとは思うが。
「いやぁ、お姉さん嬉しいなぁ」
「……あのさ、頭撫でるのはやめてくれる?」
こちらの言葉にエイミィは声を漏らしながら静止すると、非常に残念そうな顔を浮かべた。
俺はエイミィの弟でもなければ親戚の子供でもないのだが……そもそも彼女の弟分はクロノだったはずだ。まさかクロノと親しくなったことで俺まで弟分に加えられたのだろうか。
もしそうだとすれば対応を考えないといけない。別にエイミィのことは嫌いではないが、人前でも気にせず弟分として扱われるかと思うと恥ずかしさを覚えてしまうから。
「はぁ……私がこういうことできる子ってショウくんだけなのに」
「俺の前にクロノがいると思うんだけど?」
「いやね、クロノくんはああ見えて私とあんまり年変わらないからさ。こういうことすると怒ると思うんだよね」
「そっか……そういうのが分かるなら俺にもしないでほしいんだけど」
「え〜」
俺よりも7年ほど先に生まれているはずなのに子供じみた反応をするエイミィには呆れてしまう。その一方で、彼女がこのような性格だからクロノとの相性が良いのかもしれないとも思った。
「そしたら私の中にある君への愛はどう表現すればいいのさ」
「俺よりも語彙は知ってるはずなんだから言葉で表現してとしか言えない。そもそも、何でエイミィの中に俺への愛があるわけ? アースラの中でも親しくしてるとは思うけど、そこまでのレベルには達してないと思うんだけど?」
「いやいや、君はどことなくクロノくんと似てるからね。お姉さんからすると愛着が湧くわけですよ。それに素直じゃないところあるけど優しいところあるし、意外と恥ずかしがってくれたりするから可愛く見えるんだよね。正直に言って、お姉さんは割と君にキュンキュンしてます!」
興奮気味におかしなことを言うエイミィに対して俺はいったいどうすればいいのだろうか。これまではクロノも一緒だったため彼がどうにかしてくれていたわけだが今はいない。念話で助けてくれるように頼むことはできるが、仕事中かもしれないため実行はしたくない。
「……えーと、お姉ちゃんとでも呼んだほうがいいの?」
「っ…………魅力的な提案だけどやめておくよ。誰かに聞かれたら何か言われそうだし……でも今は周りに人はいない。1回くらい……」
悩むエイミィを見て自分の過ちを痛感した。彼女の発言に戸惑っていたからといって、どうしてあんなことを言ってしまったのだろう。早く手を打たなければ、度々お姉ちゃんと呼ぶことを強要されるかもしれない。
「エイミィ、あ、あのさ……マリエル・アテンザって人いるかな?」
最低でも話題を切り替えようと出した答えは、今日アースラを訪れた理由を述べることだった。今のエイミィの
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