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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
乙 M
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料理対決が終了し、レティシア率いる三人のメイド組みが脱落して進んでいく。
その先には不気味な屋敷があり、鍵が開いていたのでそこに入っていく。扉の先には・・・

「・・・不気味ですよね、こういう甲冑って・・・」
「一輝はこういうの好きなんじゃねえか?」

十六夜の発言に対して音央と鳴央の二人は無言で頷き、ヤシロは目を輝かせて甲冑へ走っていく。

「こういう甲冑っていいよね〜。一個くらい持って帰っても怒られないかな?」
「いや、こんなのどうやって持って帰る気よ・・・」
「う〜ん・・・着て?」
「ヤシロちゃんでは、背丈が余っちゃいますよ。」

音央が半分呆れながら、鳴央が微笑ましげに見ながらそうコメントをしている。
そして、ヤシロが甲冑に手を伸ばした瞬間、それがガタリと揺れ、

「あ、やっぱりこれいらないや!」

ヤシロはすぐに、それを破壊した。
それが皮切りになったのか、屋敷の中の甲冑が次々と動き出し、彼らを襲いだす。
だが・・・

茨姫の檻(スリーピングビューティー)!」
奈落落とし(アビスホール)!」

それらは全て音央の操る茨にとらえられ、それ自身も動いて次々と甲冑を飲み込んでいく黒い穴、神隠しそのものに放り込まれて行く。
誰かが何かをする暇もなく、甲冑が危害を加える暇もなく、全ての危機を取り除く。一輝とともに行動し、危機に対する対応能力の向上からなる一連の動きだ。

「ふぅ・・・これで全部かしら?」
「はい。この屋敷にある甲冑は全て呑みこめたと思いますよ。」
「・・・素晴らしい手際でございますね。」

ようやく何が起こったのかを理解した黒ウサギが、二人の手際にそう声を漏らした。
珍しいことに問題児三人も頷いているので、この認識に間違いはないだろう。

「いや・・・一輝と一緒にいると、ね。」
「色々と荒事には巻き込まれますから。気がつけば、こういった弱い人がたくさん来た時の対応には慣れてしまいました。」
「一輝さん・・・黒ウサギたちの知らないところで一体どれだけの無茶を・・・」

黒ウサギはそんな感想を漏らすが、問題児たちは、

「全くだぜ。アイツ・・・」
「一輝くんったら、一人でやってしまうんだもの。」
「みずくさいったらないよね。」
「皆さん・・・!」

珍しくまともな問題児組みの感想に、黒ウサギは感動したように顔をあげ、

「「「そんな面白そうなこと、一人でやるなんて!!!」」」
「って、そちらですか!?」

だがしかし、続いた言葉で一気に落とされた。
だが仕方ない、相手は問題児なのだ。
彼らからしてみれば、言ってくれれば手伝うという話ではなく、自分たちも楽しいことに参加させろ!という話なのだ。

そんな話をしていたら、階段を下りてく
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