5話:SPEC〜凶〜 壱
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で止めて鋏にしてたんだ。扱いにくいから螺子を『殺して』元に戻した。流石に空いた穴は埋められないがな」
「扱うって、使うのか?」
殺し合い会場で、刃物を使う。
その意味は、説明せずとも分かるだろう。
「そりゃあ、襲われたりでもしたら使うしかないだろう」
呆れた顔で式が言う。
考えてみれば当然のことだ。
殺し合いに乗っているのだったら、見ず知らずの瀬文などすぐに殺しにかかっていたはずだ。
「それと、螺子を殺したってのは一体?」
「・・・オレの目はモノの死が視えるんだ」
続けて式は、簡略化した直死の魔眼の説明をする。聞き終わった瀬文は、以外にも納得したようだった。
「そうか、お前もスペックホルダーなんだな・・・」
「あん?なんだそれ?」
今度は瀬文がスペックホルダーの説明をする。かつて当麻がよく言っていた、SPECの説明から始めて。
「・・・ふうん」
聞き終わった式はさほど興味が無いのかそれ以上聞いてくることは無かった。
続いて互いにこの会場内にいる知り合いの話に移る。瀬文は当麻紗綾を、式は浅上藤乃と蒼崎橙子、白純里緒のことを話す。
瀬文は当麻は絶対に信用できる、殺し合いには乗らないと強く説明し、式は浅上と白純は危険だと言った。
「まあ、オレの記憶が確かなら浅上は倒したし、白純は殺したはずなんだがな」
「え、殺したって」
「ああ、そういやあんた刑事だったな。最後に会った時、白純はもう人とは言えなかった。向こうから襲ってきたし、仕方が無いだろう」
「人とは言えないってどういうことだ?」
「そのままの意味だ。強いて言うなら人食鬼かな」
まさか、と呟く瀬文に式はその通りさ、と続ける。
「白純は人間でありながら人を食べるんだ。動きも人というよりは獣だ。なんでも起源覚醒者というらしいが、その辺はオレにはよくわからん」
式は続けて浅上藤乃について話す。
「こいつは歪曲の魔眼を有している。手を触れずにただ視るだけでモノを凶げる事が出来る。殺し合いに乗っているかどうかはわからん」
危険なのは間違いないが、と。蒼崎橙子については人形師だと説明する。
曰く、個人的には嫌いだが、殺し合いに乗るような奴ではないと。式の話を聞くに、本人は戦闘が得意ではなく代わりに人形が戦うらしい。
だが、式がナイフを、瀬文がいつも持ち歩いている紙袋を取り上げられたことを踏まえると蒼崎橙子も人形を取り上げられた可能性が高い。
それぞれの体格や顔の特徴まで話し終えた式を見て、瀬文は当麻の左手について話そうか悩んだが、やめた。瀬文は結局最後まで、当麻のSPECを理解してやれなかった。
「それじゃあ、俺は行く。色々とありがとう」
「待て。オレも行く」
立ち上がった瀬文に式はゆっくり魔理沙をデイパックに詰めなが
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