暁 〜小説投稿サイト〜
ロックマンX〜朱の戦士〜
第三十九話 Marine Base
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「………」

ゼロの問いにスティングレンは閉口して黙り込んでしまう。
今回の戦いはスティングレンも多少の疑念を抱いていた。
実際彼はいくら戦争とはいえ、彼は護るべき人間達のライフラインを遮断することに最後の最後まで悩んでいたのだから。

スティングレン「…今更後戻りは出来ん。それに我々が間違っているのかそうでないのかは後世の歴史が決めること…。今は軍の誇りにかけて貴様を…倒す!!」

ゼロ「スティングレン…」

スティングレン「お前も己の信念に従い、戦っているのだろう?ならば迷うな、戦場で迷いを見せた者にあるのは“死”のみだ。俺はカーネル殿やジェネラル殿への忠誠のために戦う。ならばお前も俺を倒し、お前の正義を証明してみろ!!」

ゼロ「そうか…お前の忠誠心、しかと見た。ジェット・スティングレン!!お前を倒す!!」

スティングレン「でやああああ!!」

背部のジェットをフルに加速させ、ゼロに真正面から体当たりを喰らわせようとするが、ゼロはそれを回避しながらセイバーを振るうがスティングレンは剣筋を見切り、回避した。

スティングレン「グランドハンター!!」

再びスティングレンはゼロにむけてエイ型メカニロイドを放つ。
それをかわしながらゼロはセイバーでメカニロイドを破壊するが、スティングレンの姿がどこにもないことに気づく。

ゼロ「何処だ…」

スティングレン「隙あり!!」

ゼロ「何!?」

砂に身を潜めていたスティングレンは地中からゼロに体当たりを喰らわせる。

ゼロ「がはっ!?」

まともに受けたゼロは水中であることが災いし、大きく浮き上がる。
そしてスティングレンはバスターをゼロに向け、バスターから放たれた巨大な渦がゼロを一気に飲み込んでいく。
地上でこそ俊足を誇るゼロも近距離から放たれた攻撃を避ける事も敵わず、まともに喰らい、再び体当たりを受け、弾き飛ばされる。

スティングレン「他愛も無い。地上では無敵を誇ろうと所詮は地上用レプリロイド。水中ならばこのスティングレンの敵では無い!!」

再びスティングレンは弾丸の如き勢いで飛び出すとゼロに向かって体当たり攻撃を仕掛けてくる。

スティングレン「さらばだゼロ!!海の藻屑と消えるが良い!!」

ゼロ「ぐはぁっ!!」

床壁に強かに叩き付けられたゼロが力なく項垂れる。

スティングレン「…終わったか…?いや…」

カーネルが好敵手と認める相手がそう簡単にくたばるわけがない。
事実、ゼロは再び起き上がり、スティングレンを見据える。
先程以上の力強さを持って。

ゼロ「俺は負けん…エックス達のためにも…アイリスのためにもな…!!」

Zセイバーを杖代わりに立ち上がり、スティングレンを睨み据える。

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