第十六話 黒蘭の力その十二
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「人間と動物の合いの子とかね」
「植物の奴もいたけれどな」
「どっちにしてもね」
「ああ、自然じゃ絶対に生まれない連中だよな」
「何処をどう考えてもね」
「だとしたら」
今度は菫が言ってきた。
「ああした怪人を造り出せる設備と技術、それにそうしたものを用意して使用して維持する費用が必要ですね」
「その全部がね」
智和も菫のその言葉に応える。
「必要だね」
「そうですね」
「そう、全部必要だけれど」
「それだけのお金を持っているとなると」
「かなりの人か組織だね」
「個人では無理じゃないですか?」
菫は首を傾げさせつつ智和に答えた。
「組織、それもかなり大きな」
「その可能性が高いね」
「どっかの巨大な秘密結社とか国家とか」
裕香はとりあえずこうした勢力を出した。
「そういうのでしょうか」
「何か特撮じゃ結構ある話だな、そうなると」
薊はその裕香に応えてこう言った。
「秘密結社なり国なりって」
「そうよね」
「実際にそんな話あるのかね」
薊はいぶかしみながらこうも言った。
「悪の秘密結社とかな」
「ううん、現実離れしてるわよね」
「目茶苦茶な、けれどな」
「けれどって?」
「そもそもあたし達自身が現実離れしてるしな」
自分達のこともだ、薊は言った。
「力とかな」
「まあそのことはね」
「だろ?あたし達も考えてみればそうだよ」
現実離れしているというのだ。
「有り得ない位に」
「そうなるけれどね、そう言うと」
「ああ、けれど金と設備と技術がある奴か」
薊は菫と智和のその言葉を思い出して述べた。
「限られるよな」
「うん、かなりね」
智和は今度は薊に応えた。
「個人にしても組織にしても」
「そうだよな、そういう奴か連中か」
「探す?何処の誰なのか」
菊は薊に顔を向けて提案した。
「多分私達の近くにいるし」
「すぐに見付からないわね」
例え探してもだとだ、菖蒲が菊に言ってきた。
「そうしても、それに」
「危ないっていうのね」
「ええ、菊さんだけで探すつもりかしら」
「うん、そうだけれど」
「余計にまずいわ」
そうすればというのだ。
「単独行動となると」
「その時に怪人に襲われたら」
「出て来る怪人は一体とは限らないわよ」
「そうね、それに向こうも私達にその存在も知られたくないし」
「そう、だから私達に怪人を出して来る時よりも遥かにね」
「戦力を出してくるわね」
「それに罠もあることが考えられるから」
だからだというのだ。
「単独で相手のことを調べることは危険過ぎるわ」
「止めた方がいいっていうのね」
「菊さんに何かあってはならないから」
絶対にというのだ、菖蒲は無表情のままだがそれでも菊のことを真剣に
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