第十六話 黒蘭の力その八
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「それであの娘も」
「黒だよな」
「皆それぞれの色があるのね」
「その辺り面白いな」
「個性が出てね」
「あたしに赤似合ってるよな」
「うん、凄くね」
そのこともだ、裕香は言った。
「似合ってるわよ」
「じゃあこのまま赤でいくな」
「うん、そうしたらいいと思うわ」
「また赤のブラ買うか。しかしな」
「しかしって?」
「いや、黒蘭ちゃん言ってただろ」
薊は話題を変えてきた、今度の話題はというと。
「私達って」
「お姉さんのことね」
「ああ、あいつ姉さんいるんだな」
「そうみたいね」
「誰なんだろうな、その姉さん」
寮への帰り道の中でだ、薊は裕香にこのことを尋ねるのだった。
「そいつも力の持ち主ってのはわかるけれどね」
「そうね、そのことは間違いないけれど」
「どういった奴かはな」
「そこまではわからなかったわね」
「その辺りかね、次は」
薊は考える顔で裕香に話していく。
「調べるとしたら」
「そうなるわね、やっぱり」
「ああ、じゃあな」
「また黒蘭ちゃんに会うの?」
「そうしてみようか」
「それじゃあね」
薊はこう裕香に話してだった、そうして。
この日は日常に戻った、夕食に風呂を楽しんだ後は勉強となった。そうした普通の学園生活も送ったのだ。
その次の日だった、朝登校してからだ。薊はまずは皆に屋上に集まってもらった。智和と裕香も一緒である。
そうして屋上の端の方で車座に座って昨日のことを話す、それからだった。
薊は皆にだ、こう言った。
「あたし今日あの娘に会おうって思ってるんだよ」
「いいんじゃない?」
「そうよね」
まずは菊と向日葵が薊に答えた。
「お話聞くとお姉さんのこと気になるし」
「誰かね」
「だからここはね」
「その人と会うといいわ」
「私もそう思います」
「私も」
桜と菖蒲も賛成だとだ、薊に答えた。
「是非です」
「その娘と会うべきね」
「そうか、じゃあ会ってみるか」
「ただ」
ここでだ、菖蒲が薊にこう言った。
「一人で会うことはよくないわ」
「用心の為かい?」
「薊さんの話を聞く限り彼女は友好的ではないわね」
「関わるなって言ってるしな」
薊もこう返す。
「実際に」
「そうね。それならね」
「あたしが会うとか」
「最悪揉めごとになるわ」
だからだというのだ。
「一人で行くのはよくないわ」
「まあ向こうが喧嘩を売ってきたらな」
それこそというのだった。
「あたしも買うしな」
「そうね、薊さんはそうした人だから」
「喧嘩になったらやっぱりな」
「話どころではないわ」
「そうだよな、じゃあな」
「私が一緒に行くけれど」
菖蒲は自分から同行を申し出た。
「どうかしら」
「そうし
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