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ドリトル先生と伊予のカワウソ
第二幕その六

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「日本語の勉強の為にも」
「素晴らしい。ドリトル先生は語学でも優れていると聞いていますが」
「いえ、それは」
「違うというのでしょうか」
「そうして褒めて頂くと」
 それは、というのです。
「恥ずかしいので」
「だからですか」
「はい、僕は褒められることが苦手です」
 こう加藤さんに言うのでした。
「ですから」
「そうですか」
「あまり褒めるということはです」
「しないで、ですね」
「そうされて下さい」
「わかりました、では先生」
 加藤さんは先生とこうしたやり取りをしてからです、あらためてでした。
 先生にです、動物達を見回してから答えました。
「彼等と一緒にですね」
「はい、常に一緒にいたいのですが」
「そのことはもう聞いていますので」
「それではですね」
「泊まる場所も手配していますので」
 先生が動物達と一緒に泊まるところもです。
「ご安心下さい」
「有り難うございます」
「ドリトル先生はいつも動物達ち一緒でなければならない」
「僕の場合はどうしてもです」
「そうですね、ですから」
「そうしたホテルを手配してくれたのですね」
「ホテルというか旅館ですね」
 そちらになるというのです。
「そlこに今からご案内します」
「申し訳ありません、何から何まで」
「いえいえ、当然のことなので」
 先生が動物の皆と一緒に泊まれる旅館の場所の手配はというのです。
「このことも」
「だからですか」
「そう、ですから」
 お気になさらずというのです。
「これは私の仕事ですから」
「それでは」
「はい、その旅館にこれから案内しますので」
「わかりました」
 先生は加藤さんににこりと笑ってです、そしてなのでした。
 皆でその旅館に入りました。そうして。
 その旅館に入ってでした、加藤さんは先生に和風のそのお部屋の中で座布団の上に正座して同じく座布団の上に正座している先生に言いました。
「明日論文の発表でして」
「はい、そうでしたね」
「先生には論文を発表して頂いてから」
「それからですね」
「そうです、そこからは特に予定がないで」
「自由時間ですか」
「この松山を楽しんで下さい」
 加藤さんは先生ににこりと笑ってお話しました。
「是非共」
「わかりました、それでは」
「それとです」
「それと?」
「今日は野球の試合もあるのです」
「野球の、ですか」
「坊ちゃんスタジアムで」
 この松山にある野球場で、というのです。
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