第六章 正義の在り処編
第百七十四話 『事件に対する思いと、そして想い』
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なたの下で過ごさせてもらいます。
それが私の聖王家の末裔であるあなたにできる罪滅しなのかもしれないのですから……)」
オリヴィエはなのはに対して心の内でそう誓っていた。
……少し離れた場所ではヴィータがランとレンと会話をしていた。
話題はシホとなのはの会話に関することであるが。
「ヴィータ副隊長。やっぱりシホさんは色々と考えているんですね。私、とっても感激しました。やっぱりシホさんは正義の味方という言葉がふさわしいと思いますよ!」
ランがそうヴィータに言っていたが、それに対してヴィータは少し微妙な表情であった。
それにすぐに気づいたレンがどうしたのだろうと、尋ねてみたところ、
「いや、なんていうか……やっぱお前等はまだシホを完全には理解できていないんだなってな」
「「えっ……?」」
それに二人はハテナマークを頭に浮かべる。
それとともにある思いが生まれる。
「私、シホさんの事を理解しているつもりですよ? レンもそうでしょう?」
「うん。シホさんは僕達姉弟と救ってくれたとっても尊敬できる人ですから」
「まぁ、な。そこは否定しねーよ。でもさ、お前等、まだシホの過去を聞いたことがないんだろう?」
それにランとレンの二人は苦笑を浮かべながらも頷く。
そう、ランとレンの二人はシホの家族でありながらもいまだにシホの過去について聞かされたことがないのだ。
それに対して悔しい思いを抱いているのも確かなことで。
後ろめたいことでも語ってくれればきっと分かり合えると二人は思っている。
その旨をヴィータに伝えてみたが、それに対してヴィータは頭を掻きながらもそこで真剣な表情になり、
「おい、二人とも。いつか聞かされる時が来るかもしんねーが、絶対にシホの事を拒絶してやるなよ? ああ見えてシホはまだ脆いところがあるのは確かだからな。家族と言ってもいい二人がシホの事を少しでも否定したらそこで絆は壊れちまうかもしんねーからな……」
「シホさんの過去は、そこまでひどいものなんですか……?」
レンが少し怯え腰でそう尋ねる。
それにヴィータは「全部は答えられねーが」と前置きをして、
「シホの過去は壮絶なものなんだろうな。闇の書の守護騎士として色々な世界を繰り返していたあたし達ですら、シホの過去は一言では言い表わせねーからな。シホもある意味被害者だからな」
「シホさんが被害者、ですか……? 一体なにが……」
ランがさらに追求しようとするが、そこでヴィータは「待った」と手を出して、
「あたしから言えるのはここまでだ。後はシホ本人から聞くんだな」
それ以降ヴィータは黙り込みを決める。
これ以上は覚悟を決めて来いという事なのだろう。
シホの闇はそれほどに深いものなのだから……。
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