第六章 正義の在り処編
第百七十四話 『事件に対する思いと、そして想い』
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なのはの弁である『業』は、両手で数え切れないほどに存在し、今も増え続けている。
管理局の闇は奥深い物だ、それと立ち向かう事になる今まで事実を知らされなかった善良な局員の人達はこれを今回の事件で知ったためにたまったものではないだろう。
ゆえに管理局を一回クリーンな組織に戻そうと各々が躍起になっている。
それなのに今回起きてしまった事件は……闇に葬り去られた者達の復讐かもしれない。
それを思うとシホ達は一様に彼、もしくは彼女達の犯行を悪質な犯罪者だ、許せないほどの悪者だ、と断定できないのが痛いところである。
もし復讐のために動いているのだとしたら彼らも被害者なのだから。
それでも、
「でも、許される事ではないわよね。復讐による犯行は悪手と言っても過言じゃないわ。いずれは最高評議会のメンバー達も法という裁きに下されるのだから、それを待つのもいいかもしれないのに……」
「それが、我慢できなかったから今回のような事件が起きちゃったんだよね」
「ええ……いつかクロノが言ったセリフだけど『世界は、いつだって………こんなはずじゃないことばっかりだ』ってね。
復讐するのはしょうがないと言われても、今回殺された人達にも親家族はいたでしょう。
復讐は憎しみを生む、そして起こる犯行、それによって殺された者の家族達もまた憎しみの感情を生み復讐心を生み出す、そしてまた復讐し返される………それの繰り返しは悪循環し、次第に大きくなっていき、いずれはテロ、紛争、戦争と、規模を拡大させていく。
だから私達はそうさせないために犯人達を捕まえて法による裁きを受けて被害者達に償ってもらうために今回の事件、早急に解決しないとね」
「そうだね、シホちゃん! 頑張ろう!」
「ええ!」
それでシホとなのはは拳を合わせる。
そしてお互いに「ニッ」と笑みを浮かべて事件解決を速やかに行うことを誓うのであった。
そんなシホ達の光景を見ていたアルトリア、ネロ、オリヴィエはというと、
「立派な心がけです。あのシホがここまで立派に成長しているのは師としましては嬉しい限りです」
アルトリアが我が事のように嬉しそうに頷いている。
「さすが奏者だ! 余も奏者のために一肌脱ごうではないか!」
ネロがシホの気持ちになにかを感じたのだろう、さらに惚れたと言わんばかりに顔を笑顔にしていた。
「(なのは、私はかつて戦争を鎮めるために聖王のゆりかごを動かしました。今でもそれは後悔していません。
ですがそれによって悲しんだであろうクラウス、リッド、クロゼルク……他にもたくさんの者達に今、どういう顔をすればいいのか分かりません……。
ですが、それでも戦争を止めようと頑張るなのはの姿は私にも勇気を与えてくれます。ですからいずれ来るだろう別れの時でも最後まであ
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