第二幕その一
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第二幕 松山に着いて
先生達は港の船に乗り込んで松山に向かいました。そのお船の中から青い海と空、それに白い波と雲を見ながらです。
ポリネシアはです、船の甲板のところからその海と空を見ている先生に尋ねました。
「先生、いいかしら」
「何かな」
「飛行機は使わなかったの?」
「あっ、そうだね」
「そういえばね」
ジップとチーチーもポリネシアの言葉にそのことに気付きました。
「飛行機の方がずっと早いけれど」
「船なんだ」
「先生どうして船なの?」
「船にしたの?」
「うん、時間があったからね」
先生は動物達にです、微笑んで答えました。
「それなら船旅を楽しもうって」
「そう思ってなんだ」
「それでなんだ」
「そうだよ、船にしてね」
そして、というのです。
「行きはゆっくりと楽しんで」
「船旅を」
「それをだね」
「そうだよ、やっぱり旅はね」
それはといいますと。
「船が一番じゃないかな」
「ゆっくりと行けるし」
「しかも景色も楽しめるし」
「だからなのね」
「船なのね」
「うん、それに船旅だと皆と一緒にいられるけれど」
今の様にです。
「飛行機だと中々こうはいかないからね」
「僕達別のお部屋に入れられるからね」
「そうそう、倉庫にね」
オシスオサレツもいます。彼は二つの頭でそれぞれお話をします。
「だからね」
「先生と一緒にいられないし」
「倉庫の中は殺風景で寒くて」
「嫌な場所よね」
「一緒にいられるのならいいけれど」
それならと言う先生でした。
「船旅の方がいいからね」
「だからなんだね」
「先生はいつも船旅なんだね」
「船で旅をするのが好きなんだね」
「今みたいに」
「そういうことだよ。それじゃあね」
先生は動物達にお話してです、そしてです。
皆にです、その船の中でこうも言いました。
「じゃあ今はね」
「うん、今は」
「今はだね」
「船室に入って休もうか」
「お昼までは」
「そうするんだね」
「本でも読んでね」
そうしてというのです。
「時間を過ごそう」
「ティーセットはあるの?」
ダブダブは船の中でも食べることでした。
「そっちは」
「それは三時だから」
「あっ、そうだったね」
「それはまだだよ」
先生は微笑んでダブダブに答えました。
「お昼を食べてからね」
「少し経ってからだね」
「紅茶は何時飲んでもいいけれど」
こちらは、というのです。
「あの三段のセットは三時だよ」
「船の中でもだね」
「やっぱり僕はティーセットがないとね」
どうしてもというのです。
「駄目だからね」
「そうそう、先生は幾ら日本に親しんでもね」
「ティーセットは絶対だよね
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