第1部
第5話 我、本土へ進出ス
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8月20日 日本帝国 帝都
京都
薄暗い部屋の中、幾つもの瞳がプロジェクターの映し出す、とある映像を見つめていた。
映し出される映像が変わる度に、驚きの声が上がる。
「これは……なんともまた……」
「信じられん……此れ程の兵器群をたった3隻の艦船で維持していると言うのか……」
「それだけでは無い……艦船のみならず人型兵器にまで光学兵器を装備させている。
この戦闘データに嘘偽りが無ければ、是等の武装は深海棲艦に対して有効な物であることは間違い無い。
艦娘達と共に運用すれば……人類の勝利も遠い未来では無い……ッ??」
映像が終わり、灯りが付いて窓が開けられる。
広い和室を囲む廻廊から……京都城天守閣から臨む街並みは、人類が滅亡の危機に瀕しているとは思えない程、活気に満ちていた。
「以上が、鹿島第1024鎮守府の神宮司中将閣下を介して、先方から送られて来た映像です。
また、映像にあった人型兵器……モビルスーツ1機と、付属する武装を数点、並びに各種運用データが贈られました。
贈られた機体と兵装は、京都戦略技術研究所にて調査、検証中です」
室内がどよめく。
彼等は、自分達の主力兵器をいとも簡単に手放したのだ。
「……大盤振る舞いだな……先方は代わりに何を要求して来たのだ?」
「はっ、はい…その……日本帝国及び鹿島第1024鎮守府への長期滞在・上陸許可の更新と、艦娘の指揮・所有権限≠要求して来ています」
「……それだけ……か…?」
「……はい」
室内が更にどよめいた。
てっきり無理難題を要求して来るものだと思っていたら、拍子抜けするような内容だった。
「……良いのでは?
艦娘の建造方法は各国で既に確立されていますし、彼等は帰る国も無く孤立無援の上、帰る方法が無いとの事。
どの道彼等の力は、我々人類に必要です。
許可しても問題無いかと……」
「然し、完全に信用し切るのも問題では……」
「……では殿下=A御采配を………」
殿下≠ニ呼ばれた、広い和室の上座に座る少女≠ノ、その場に居る人々……日本帝国軍、陸海空軍の将官達の視線が集まる。
「……彼等の要求を飲みましょう。
但し、監視の者を派遣し、彼等の敵意の有無を確認させます。
……柏木少尉=v
「は、はいッ??」
「貴女に監視の役目を与えます。
彼等が我々人類にとって救済をもたらす者達たり得るか……その目で確かめて来るのです。
……良いですね?」
「はッ?? 帝国海軍少尉、柏木晴子=A帝国の繁栄と煌武院悠陽%a下の名に掛けて、必ずや…監視の任、遂げてご覧に入れますッ??」
???
8月21日 鹿島
第1024鎮守府
相変わらず熱帯雨林の如く蒸し暑い日々の続く鎮守府。
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