第132話 山賊退治と新たなる展望
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情を変え、正宗のことを厳しい表情で見ていた。
「正宗様」
「分かっている。みなまで言うな」
正宗は冥琳の言葉を制した。
「とりあえず、今夜はここで宿営する。数十名ほどの兵に野営できそうな場所を捜させろ」
「畏まりました。明日は日の出とともに出立ですね」
「頼む」
正宗と冥琳は互いに力強く頷いた。その様子を朱里と桂花はよくわからないという表情をしていた。
その後、士仁は村長を連れ戻ってきた。村長は杖がないと歩けない程の痩せた老人で、正宗の前に来るなり地面に手をつき頭を下げた。
正宗と村長が面会をはじめると士仁は片膝をつき村長の隣にしゃがむ。正宗が野営の話を村長に打ち明けると、村長は正宗達のことを歓迎したが正宗軍の兵達のことを心配していた。正宗と会話している間中、兵達が村人に危害を加えるのでないかと終止兵達の方を窺っていた。自分達の村を襲っていた賊を一方的に殺戮した正宗軍が自分達に対して略奪したら抵抗のしようがないと考えたのだろう。この時勢、官軍が村から糧食を強制的に調達することは多々あることだった。
「村長、心配いらん。村人に「殺す・犯す・奪う」を行なった兵は私の手で処刑する」
正宗が真剣な表情で村長に答えると、村長は少し安心した様子だった。村長は何も無いが持てなしたいと正宗と麗羽を招待した。
「劉将軍、これで話はまとまりましたね。良かったです。それでは失礼します」
士仁は正宗達に一礼すると、県令の元に帰ると百五十の兵を引き連れ去って行った。正宗と冥琳は士仁が連れて行く兵達を遠目から眺めていた。
「軽傷な者はかなりいるが重傷の者はいないな。私達が早く援軍にきたにしても、あの女なかなか戦上手だな」
「野戦は分かりませんが、防衛戦であればまあまあですね」
士仁のことを正宗と冥琳はなかなかの評価を抱いている様子だった。
「劉将軍、夕餉の仕度が出来ましたのでこちらへ」
村長と村娘が正宗を迎えにきた。正宗は冥琳と別れ、麗羽を伴い村長宅に出向いた。村長宅は他の村民の家と変わらない大きさで別段立派ということはなかった。
村長からの持てなしは村長の言う通り粗末な食事だったが正宗と麗羽は残さず美味しそうに食べていた。
正宗は宿営に戻ると冥琳を探し、焚き火を囲み二人で密談をしていた。密談の内容は正宗が士仁から聞いた桃香が賊討伐に困っていること、愛紗が出奔したことだ。冥琳は話を聞くなり、このまま潁陰県に急いで向うことを提案し、それに正宗も同意した。
翌日、村の近くにある川の近くで野営をした正宗一行は朝日が昇る前から出立の準備をしていた。村長には朝日が出るとともに出立することを昨晩のうちに持てなしの礼とともに告げていた。
正宗達が出立する時、村民総出で見
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