第132話 山賊退治と新たなる展望
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に到着するまでの間、時間稼ぎを頼む」
「畏まりました。直ぐに出立します」
泉は馬上より正宗に拱手し矢継ぎ早に騎兵二百をまとめて賊の襲撃を受ける村に先行した。完全武装した騎兵二百が泉を先頭に颯爽と駆けて行った。
「冥琳、こちらも準備が出来次第進撃するぞ。賊を後方から一気に蹂躙する」
「お任せを!」
冥琳は正宗に答えると部隊長級の将兵に指示を出しに馬を走らせた。その様子を麗羽は見つめていた。
「本当にひどい世の中ですね」
麗羽は物憂げな表情を浮かべ独り言を言った。正宗は麗羽の言葉に何と答えたものかという表情をした。
「麗羽、お前はそれを変えたいのだろう。私も尽力する」
「正宗様」
麗羽は正宗の言葉に嬉しそうな笑みを浮かべ正宗を見つめた。
「おほん!」
咳払いのする方向を見ると気まずそうな冥琳がいた。
「冥琳、準備が整ったのか?」
「はい。いつでも出陣できます。正宗様、号令を」
正宗の言葉に冥琳は直ぐに表情を直し、軍人らしい鋭利な笑みを浮かべた。正宗は冥琳の笑みに頷くなり、双天戟を天高く掲げて叫んだ。
「劉正礼に従いし勇者達よ! 我らは正義の軍なり! 無辜の民を害する餓狼共を一人残らず狩り殺せ! 餓狼に墜ちた者達に情けなど無用! 奴等に死の引導を与えてやれ??????!」
正宗の号令とともに兵達が興奮したように怒声を上げ、抜刀し賊に襲撃される村に向けかけ出した。
「麗羽、まずは村を救わねばならない。麗羽、お前も私に付いてこい」
正宗は隣にいる麗羽に視線を向け兵達の怒声が聞こえる中、正宗は麗羽に力強く言うと兵を引き連れ走り去った。麗羽は迷わず正宗の後を追うように馬を走らせた。
村を視認できる距離まで到着した正宗は馬上から矛先を賊の密集する地点に向け双天戟を構えた。次の瞬間、眩いばかりの閃光が一直線に賊達を無慈悲に蹂躙する。先程まで賊の撹乱に専念していた泉の率いる騎兵が間髪入れず襲いかかる。賊は何が起こったか分からず動揺している中、後詰めの歩兵に完膚なきまでに蹂躙された。完全武装し日々の練兵で鍛え上げられた正宗の精兵の前に賊は抗う術など無かった。
賊の掃討が終わり暫くすると村の中から歓声が聞こえてきた。数刻後、土塁を越えて鎧に身を包んだ部将らしき女性が正宗の元を訪れてきた。彼女は黒髪を短く切り揃えて意思の強い瞳をしていた。服装は青い甲冑に身を包み揃いの兜を被っていた。
「私は士君義と申します。どなたか存じませんがご助勢感謝いたします」
目の前の女性は名乗り、正宗に対して丁寧に頭を下げた。士君義は士仁という。史実では蜀を裏切り呉に下った人物だ。
「名乗られてはこちらも名乗らなければな。士君義、私は車騎将軍にして冀州牧、
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