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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第132話 山賊退治と新たなる展望
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民族に対して悪戯に譲歩する必要はないが、彼らを取り込む余地があるのであれば利用しない手はない。彼らと上手く共生すれば、彼らは強い力となるはずだ。私の叔父・劉寵は会稽郡大守であった時、山越族との共存の道を模索され成功した。桂花にも考えがあるだろうが、麗羽のためと思って心の端に止めておいて欲しい」

 正宗は桂花に頭を下げた。その行動に桂花は驚いた。

「正宗様、頭をお上げください。『蛮族』に他意はないとは言いませんが、正宗様のお考え心に止めておきます。それに正宗様の叔父上が揚州で名が通った御仁であれば、その御名声を利用しない手はないと考えます」

 桂花は「蛮族」という言葉に悪意があることを認めたが正宗の考えに留意することを約束した。

「私も正宗様の考えに賛成ですわ。異民族でも仲良くやっていけるのなら、それにこしたことはありませんもの。でも、私達が支配する側であることは相手に追々理解していただく必要があります」

 麗羽は賊を皆殺しにしていたことに心を痛めていた時と違って、やる気に満ち溢れていた。正宗を見るときの表情も生命力を感じさせるものだった。冀州に辿り着いた時の憔悴しきった姿は正宗にとって辛い記憶であった。麗羽は何進や自分のために死んでいった将兵の死に未だに苦しんでいるのかもしれないが、どこかで折り合いをつけようとしているのかもしれない。

「それでいい」

 正宗は麗羽に笑顔を返した。桂花も麗羽の様子を見て嬉しそうにしていた。



 正宗一行が行軍をしていると先行していた斥候が戻ってきた。正宗一行は行軍を停止して、斥候の報告を受ける。彼らの一人が慌てた様子で正宗に報告をはじめた。

「劉将軍、ご報告がございます。十七里先にある村を襲う武装した者達がおります」
「村を襲撃だと?」

 正宗は険しい表情を斥候に向けた。その周りにいた冥琳達も険しい表情に変わる。

「はっ! その者達は遠目から確認する限り、装備はバラバラで統率も取れておらず、正規軍ではないと見受けられました。賊と見て間違いないかと」
「村はどんな様子だ」

 正宗が斥候の兵にたずねた。

「村は入り口となる場所を防塁で固め賊の侵入を防いでいる様子です。直ぐに村が落ちることはないでしょうが長くは持たないかと」

 斥候兵は呼吸が整ってきたのかはきはきと答えた。

「賊の数は?」
「七百程かと」
「泉はいるか!」

 正宗は泉を声高に呼ぶ。泉は正宗の声を聞きつけ馬を走らせ駆け寄ってきた。

「正宗様、これに」
「泉、騎兵二百を与える。この先で賊の襲撃を向ける村の援護をせよ。お前は深く攻撃をかけず、相手を挑発して撹乱させるだけでよい。危険になれば兵を一旦後退させ、暫くして再度村を援護するべく賊を挑発しろ。本隊が村
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