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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第132話 山賊退治と新たなる展望
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んこと」

 麗羽は正宗に衝撃の意思を告げた。正宗は渋い表情をし、隣に控える冥琳も頭が痛そうだった。揚州刺史の治所は九江郡寿春県。この郡と汝南袁氏の本貫である予州汝南郡との間には汝陰郡があり地理的に遠いという程ではない。美羽の治める荊州南陽郡は汝南郡の隣であるため汝陰郡を抑えれば、美羽と麗羽が互いに連携を取ることが可能になる。正宗陣営にとって長江以南を抑える妙案だが、武闘派揃いの正宗陣営でなく麗羽達が揚州に下ることは戦力的な不安があると正宗は感じたのだろう。

「麗羽、本気で言っているのか?」
「正宗様、本気ですわ。私が揚州刺史となり流民の移民政策を主導しますの!」
「簡単に言うが地元民の反発を買うことになるぞ。揚州の民は血の気が多いと聞く。流民達が面倒事を起こせば揚州の民の反乱に発展しないと限らない。とてもでないが、お前を揚州に送ることはできない」
「正宗様、この荀ケが麗羽様を身命を賭しお支えいたします」

 正宗は麗羽の考えに異を唱え、考え直すように諭した。そこに桂花が割り込んでくるなり、麗羽を擁護した。

「桂花、お前は揚州がどのような地なのか分かっているのか?」
「蛮族が多く住む地域と聞き及んでおります。麗羽様が中央官吏であられたため人材の紹介を控えておりましたが、麗羽様が地方に地盤を築く腹づもりであれば、不肖荀ケめが骨を折らせていただきます」

 桂花は麗羽の揚州刺史になることに賛同しているようだ。冀州における正宗陣営の体制は盤石であり、麗羽達の入り込む余地はない。桂花ほどの人物であれば麗羽の地盤を築き、自分達の働き場を作ろうと考えることはおかしいことではない。また、これは正宗と麗羽の夢実現にも添うことで桂花も問題ないと考えたのかもしれない。そう考えると随分前から桂花は揚州に限らず、何処かの地に麗羽の地盤を築くことを模索していたのかもしれない。麗羽が揚州刺史になる意思を示したことは彼女にとって僥倖となったことだろう。

「正宗様は先程仰りましたわ。流民を救うには他の州が力を合わせて当たらねばならないと。私の力は微力ですが少しでも多くの力無き者達の助けとなりたいと思いますの。そのために揚州を掌握しますわ」

 麗羽は強い意思の篭った瞳を正宗に向けた。正宗も彼女の気持ちが嘘偽りない純粋な気持ちであることを理解したようだった。しかし、正宗は彼女の気持ちを理解しても難しい表情を崩さなかった。
 正宗が麗羽を揚州刺史に推挙することを躊躇する理由は孫家のことがあるからだろう。麗羽が刺史となり九江郡寿春県に在地すれば、隣の郡には呉郡がある。呉郡は孫家と縁のある土地だ。戦乱の世となればいずれ孫家はこの地を狙ってくるはず。その時、九江郡に居る麗羽が勇猛で知られる孫家軍を撃退できるのだろうか。
 正宗は意見を求めるべく、冥琳に視
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