マクロスF
0694話
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何で自分が偉そうに説教をしているのかを思う。
そもそも、純粋にVFについての知識という面で考えれば俺は1月弱しか経験していないのだ。アルトよりも余程知識は浅いだろう。
……まぁ、その分経験という意味では比べるべくもないんだろうが。
そんな風に話をしながら通路を歩き続け、やがてS.M.Sの建物の外へと出る。
「避難警報は……まだ出てないのか?」
唖然とした表情で呟くアルト。もし避難警報が出ていれば、その旨をアイランド1内に放送で知らせているだろう。だが、それが無いということは即ちまだバジュラの再襲撃が市民に知らされていない証拠だ。だが避難警報が出た様子は一切なく、静寂に包まれている。
「恐らく昨日の今日だからだろうな。1度終息宣言を出したのに、翌日にすぐまた……なんて事になったら、政府の能力が疑われるとかそんな理由だろ」
「そんなもの、なのか?」
「さてな。それこそこのフロンティア船団に来たばかりの俺よりは、ずっとここで暮らしてきたお前の方が分かるんじゃないか? それよりもシェルターはこっちだ。行くぞ」
アルトを引き連れシェルターのある方へと向かっていると、どこか戸惑うような感じでアルトが口を開く。
「フロンティア船団に来たばかりって……じゃあ、お前今までは一体どこにいたんだよ?」
「さて、どこだろうな。こう見えても色々と訳あり……ん?」
エスカレーターをアルトと共に登っていると、ふとその先から声が聞こえて来るのに気が付く。それも普通の声ではない。どちらかと言えば歌といってもいいだろう。……というか、完全に歌だな。こんな非常時に誰が歌ってるんだ? そうも思ったが、良く考えたら避難警報が出てないんだから避難してなくても当然なのか。にしても、この歌声はどこかで聞いた覚えがあるような……
「歌……?」
アルトにも聞こえてきたのか、怪訝そうな感じで呟く。
「らしいな。まぁ、避難警報が出されていないんだから歌っている奴がいてもおかしくは無いだろうけど。ただ、この歌声は……」
「どうした?」
「いや、どこかで聞き覚えが……」
そう呟いた瞬間、金髪の歌姫の姿が脳裏を過ぎる。シェリー……否、シェリル・ノーム。いや、だが何だってシェリルがこんな場所にいる? 銀河の歌姫として名高いシェリルなんだし、今頃はパーティとかをしてるんじゃないか? あるいはコンサートの打ち合わせとか。
そんな風に思っている間もエスカレーターは上へ、上へと登っていき……やがて、その到着場所では予想通りの人物と、予想外の人物が存在していた。即ちシェリルとオズマの妹のランカが。
「アルト君!?」
「見つけたわよ、アクセル!」
変装のつもりなのだろう。シェリルは手に大きな帽子とサングラスを持っている。そ
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