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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第427話】
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差し出す彼女に、俺は慌ててタオルを取ると――。
「わ、悪い。 ――どうぞ、タオルです」
「ありがとう」
一言そう発して、タオルで汗を拭う彼女――褐色に白い胴着のコントラストが、妙に可愛く見えてしまう。
――というか、この子ってよく見たら三組の子だな、剣道部に所属していたのには驚きだが……。
「……? 何?」
俺の視線に気付いた彼女は、不思議そうに俺を眺める。
俺は慌てて首を横に振ると、小さく「そぅ」と一言発してからスポーツドリンクを受け取り、差されていたストローに口をつけてゆっくりと飲んでいく。
――この子、名前何だったかな……確か、臨海学校の時の大広間で見た記憶があるが、名前までは……。
「……セラ」
「え?」
「セラ・アーカニアン」
短くそう告げる彼女――名前なのだろうか、出身は知らないが良い名前だと思った。
「あ、俺は――」
「知ってる。 有坂ヒルト、一組クラス代表」
「はは、まあそりゃ知ってるよな」
「…………」
小さく頷く彼女は、またスポーツドリンクのストローに口をつけ、一口それを飲む。
――と、元気の良い声と共に、武道館へと入ってくる女子生徒――黛先輩だ。
「やっほー、お待たせ〜。 有坂くん、君も傍においで〜、取材の件で話があるから」
手招きして俺を呼ぶ黛先輩、一夏と篠ノ之の二人は一緒に傍に居たため、直ぐに黛先輩の元へと移動した。
「んじゃ、呼ばれたから行くよ。 またな、アーカニアンさん」
「……セラで良い、アーカニアン呼びだと皆疲れる」
「そっか、じゃあまたな、セラ」
手を振るとそれに応える様に小さく手を振り返すセラ――褐色肌とはいえ、真っ黒ではなくちょうど軽く日焼けした健康的な感じの褐色肌といった感じだ。
セラ・アーカニアン――その名前を確りと脳に刻み込むと俺は黛先輩の元へと向かう。
「来たわね。 それじゃあ取材の件なんだけど……」
黛先輩は言いながら持ってきていた手提げ鞄をまさぐり始めるのだが、一夏が口を開く。
「ああ、その事でしたら箒が――」
そう言葉を口にする一夏だが、黛先輩はそんな事は関係なく言葉を遮ると共に、手提げ鞄からパンフレットを取り出す。
「じゃん! この豪華一流ホテルのディナー招待券二枚が報酬よ。 もちろん、一枚で二人のご招待ペアチケットよ♪」
人数分のパンフレットを取りだし、篠ノ之、一夏、俺の順で手渡してくる。
――のだが、ここのホテル、実はよく知らない、国際的に有名だとは訊いた事はあるのだが……母さんに一度訊いてみるかな。
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