第12話:おはなみに行こう!−3
[6/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
わらず俺の扱いが悪くて安心しましたよ。
で、さっさと行きませんか?」
苦笑するシンクレアの言葉に頷くと、ゲオルグは再び目的地に向かって
歩き出した。
その隣をシンクレアが歩き、なのはとフェイトの奥さん衆は
その数歩後を談笑しながら付いていく。
男同士、女同士、それぞれに他愛無い会話をしながら歩いていくと
4人の視界に淡いピンク色に染まった桜の木々が入ってくる。
さらに近づいていくと一際大きな桜の木の根元に4人の子供たちが座りこんでいた。
「あっ、ママ!」
近づいて来る4人の大人たちに気がついたヴィヴィオが声をあげると、
他の3人も大人たちに気付いて立ち上がる。
「お待たせ、ヴィヴィオ」
「ううん」
ヴィヴィオのそばまで行ってそう声をかけたなのはに対して、ヴィヴィオは
首を横に振り、続いて歩み寄ってきたフェイトの顔を見上げた。
「おはよ、フェイトママ」
「おはよう、ヴィヴィオ」
ヴィヴィオに向かって挨拶を返しながら、フェイトは抱き上げていたジュリアを
地面に下ろした。
「ジュリアもおはよ」
にっこり笑ったヴィヴィオに向かってジュリアはにぱっと笑って見せた。
ゲオルグとシンクレアがレジャーシートを広げ、その周りにいくつかの
折りたたみ椅子を置き終えると、女性陣と子供たちは靴を脱いでレジャーシートに
ぺたんと座りこんだ。
「ほんと、ここの桜はきれいだよねぇ」
「そうだね。 本当にきれい」
なのはとフェイトはそんな言葉を交わし合いながら目を細めて桜の木を見上げる。
その時吹いた風に桜の花びらが舞い散り、なのはとフェイトの長い髪をなびかせる。
その姿に折りたたみ椅子に腰を下ろしていたゲオルグとシンクレアが見とれていた。
「きれいだ・・・」
「ですね・・・」
ゲオルグが意識せずにあげた声に、同じく無意識でシンクレアが応えると
お互いの声で2人はハッと我に返り、お互いの顔を見合わせて苦笑する。
「あの・・・俺が言ったのは桜のことですからね」
「ほほぅ、そうですか。 ま、俺もだけどな」
そして2人は乾いた笑い声をあげる。
ひとしきり笑った後、ゲオルグは真剣な顔を作って談笑する
なのはとフェイトの方に目を向けた。
「ホント、きれいだよな。 あいつら」
「ですね。 改めてそう思いましたよ」
ゲオルグと同じく真面目な表情でシンクレアが応じる。
「幸せもんだな、お互い」
「ええ、俺たちにはもったいないぐらいにね」
お互いの顔を見合わせながら、ゲオルグとシンクレアはニヤリと笑いあう。
「何をニヤニヤ笑ってるんですか? 男同士で」
2人は後から掛けられた声に反応し、揃って振り
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ