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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第12話:おはなみに行こう!−3
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にする。
 それが私にできる最大限の恩返しだと思うからな」

そう言い切ったチンクの顔には晴れやかな表情と決意に満ちたのある目があった。
その顔を見て、なのはは微笑を浮かべてチンクの肩に手を置いた。

「ありがとね、チンクちゃん」

「いや、そのセリフは私のものだな、この場合」

2人はお互いに向かって笑い合い、お互いの手を固く握った。

「さ、食べよ。 お茶も冷めちゃうし」

「そうだな。 いただくとしよう」

なのはの言葉にチンクはクスッと笑い、テーブルの上のクッキーに手を伸ばした。





「ってことがあったんだよね。 つまり、チンクちゃんはゲオルグくんのことを
 心から信頼してるし、ものすごく慕ってるんだよ。 照れ屋さんだけどね」

数分間の昔語りをそうして締めくくり、なのははゆっくりとした歩みを止めて
ゲオルグの方を振り返った。

「そりゃあ、チンクちゃんだって忙しければイライラもするだろうし、
 上司のゲオルグくんに愚痴くらいは言うと思うよ。
 でもね、本心ではゲオルグくんが頼ってくれるのをうれしく思ってると思うな」

「そうかもな。 いや、きっとそうなんだろうな」

少し赤らめた頬を指で掻きながらゲオルグが小さな声でそう言うと
なのははクスッと笑ってゲオルグの鼻のてっぺんを自分の人差し指で
軽くつついた。

「うん。 でも、だからといってなんでもかんでもチンクちゃんに
 押し付けるのはなしなんだからね」

「わかってるよ、んなことは」

そう言ってぶすっと不機嫌そうに頬を膨らませる。
その肩を後から軽くたたかれ、ゲオルグは顔をしかめたまま後を振り返った。

「おはようございます。 こんなところで何やってんですか?」

そこに立っていたのは彼とは旧知の仲といっていいシンクレアだった。
その隣には、フェイトが娘のジュリアを抱いて寄り添うように立っている。
ゲオルグは2人の姿を見止めると、しかめっ面をしまいこんで3人に向かって
笑いかけた。

「おう、おはよう。 こうして会うのは久しぶりだな、フェイト」

「うん。 お久しぶりだね、ゲオルグ。 なのはもおはよう」

「おはよ、フェイトちゃん。 ジュリアもおはよ」

「あい!」

なのはが腰をかがめてジュリアに顔を寄せて挨拶すると、
フェイトの腕の中でジュリアは大きく手を上げてそれに応えた。
微笑ましい光景、だがそれに納得できないものが一人いた。

「ちょっと、俺を無視しないでくださいよ」

苦笑しながら不平をもらすシンクレアにゲオルグは一瞥をくれる。

「お前よりもフェイトやジュリアのほうが大事。
 お前とは定期的に顔を合わせてるんだから当然だろ」

「相変
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