暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ゼロの使い魔】編
032 ≪烈風≫からの試練 その2
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に繋げる必要がありそうだしね」

確かに、私にはちぃ姉様の言っている事は1サントも判らない。……でも、ちぃ姉様が無理をしているのは判った。こういう時、サイトなら、気の利いたセリフで相手を──男女問わず籠絡出来るのだろうけど、私にはサイトの様な話術スキルは備わっていない。

「私ね、ルイズの事を羨んだわ。……憎んだ。サイト君の心に居る貴女を妬んだ。嫉みもしたわ。……どうしてルイズなの?=Aどうして私じゃないの?>氛氓チてね」

それはちぃ姉様の独自。白磁の様な手の甲にくっきりと血管が浮き出ている事から、手のひらをぎゅっと──これでもかと、握り締めている事が窺える。

……ずっと清廉潔白な存在だと思っていたちぃ姉様から初めて向けられた、仄昏い感情。……それを私に向けて来た。

「ごめんなさい。妹にこんな事言って。……こんなんじゃあ、お姉ちゃん失格ね」

そんな事ありません!>氛氓ニ、声を大にして言いたかった。事実、ちぃ姉様より優しいお姉様を私は知らない。……エレオノールお姉様はあんな♀エじ──ちょうど今サイトと戦っているお母様の様な感じだし。

「……私はちぃ姉様に掛ける言葉は見付かりません。……ですが、もしそれ≠ナちぃ姉様のお気が晴れると云うのなら──ひゅいっ!? ……ちぃ姉様?」

恨んでくれても構いません≠ニ云う、前後不覚な状態の私の言葉は私の口から紡がれる事はなく、額の鈍痛で私の言葉は途切れた。ちぃ姉様に打たれた。初めて打たれた。ちぃ姉様の顔を見ると目に見えて涙を溜めていた。

「そんな事──家族にそんな悲しい事、言わないでよ……」

「ちぃ姉様……」

「ふぅ、妹であるルイズにここまで言わせるなんてね。……ルイズ…私ね、決めたわ」

「……一体、何をですか?」

どことなく自重気味な笑みを浮かべるちぃ姉様。私はちぃ姉様に次に紡がれるであろう言葉を催促する。

「私ね、サイト君よりもっと──いいえ、もっともっと良い殿方を見付けてルイズより幸せになる。……なって見せる」

「…ちぃ姉様……」

――ビュォォォォオオ!

「きゃっ!?」

「お、お母様!?」

本当に吹っ切れた様な──いっそ清々しい笑顔を浮かべるちぃ姉様に掛けるべき言葉を探していると、突風が吹いた。“カッター・トルネード”。お母様がよく使っているスクエアスペル。……何を血迷ったのか、お母様はその“カッター・トルネード”を遍在≠フ魔法で6人に分身してまで放った。その余波が突風となってこちらまで来た。……お母様がどことなく楽しそうなのは気のせいにしておく。

(サイトは──)

“カッター・トルネード”の(あざな)が如く、相手を切り刻む竜巻を生み出すスペルで、その
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