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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
乙 L
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言通り、刀身に纏っていた呪力は一切荒れた様子がなく、完全に順応して・・・
「鬼道流剣術、立ち、十二ノ型。一閃断斬。」
一輝がスレイブを横薙ぎに払うと、纏わせた呪力がそれに対応して刃を作り、そのまま進んでいき・・・建物を、上下に分断した。
「立ち、十五ノ型。崩し。」
さらに一輝がスレイブを一閃し、その瞬間に先ほど切り離された上半分が粉々になる。
「・・・よし。これで出てくるかな?」
『今ので斬られてでもいない限り、さすがに出てくるでしょう。』
「だといいんだけど・・・いや、期待には答えてくれそうだ。」
一輝がそう言いながら笑みを浮かべた瞬間、建物であったものが吹き飛び、もはや建物としての形を下半分すら失う。
そして、その中から長身の男が出てくる。
尖った帽子をかぶり、棍棒と盾を持っている。
「・・・まさか、この様な挨拶を受けるとは思っていなかったぞ。」
「そうか。なら、挨拶しなおしてやるよ。“ノーネーム”所属、寺西一輝だ。」
『同じく“ノーネーム”所属、ダインスレイブ。』
「そして、まさかちゃんとした挨拶が帰ってくるとも思っていなかった・・・」
その男は、一輝の問題児っぷりに軽く戦慄している。
その場で軽く頭を抱えてから、そいつも名乗りを上げる。
「では、俺も名乗ろうか。俺の名は、」
「ああ、ラシャプだろ?大丈夫、七人ミサキから聞いてるから。」
「・・・思い出した、形無き物を操り、妖の群れを連れる問題児だな。」
一輝の認識は、そんな感じで統一されているらしい。
「さて、俺の部下を倒してくれた礼は、俺のギフトゲームで返させて、」
「いや、そんな時間はやらねえよ!」
一輝はそう言いながら主催者権限を発動しようとするラシャプに向けて踏み込み、スレイブで斬りかかってから、返す太刀に獅子王を切り上げる。
「な・・・お前!?」
「いや、やっぱり主催者権限持ちにはこれが一番有効だろ!」
「話が違うぞ、白夜叉!?」
ラシャプが何か言っているが、一輝は一切気にしない。
今回の件の依頼人の名前とか出てきたが、一輝はようやくの強敵相手の戦いを楽しむことしか頭になく、スレイブはそんな一輝の考えに従うだけ。
はっきり言おう。ラシャプが不憫すぎて仕方ない。
「ええい、主催者権限を使わせろ!そうでなくともせめて話を聞かんか!」
「やなこった!面倒なルールなんて取っ払って、戦いを楽しもうぜ!」
「この問題児め!その上戦闘狂など、面倒にもほどがあるぞ!」
そして、二人の戦いは続いた。
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