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その魂に祝福を
魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇1
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ブロムだった。光の相棒。おそらく、俺達が知らない光の秘密を全て知っている存在。彼を解読すれば、光の行動を理解できるのかもしれないが。
「じゃあ、何でなの?」
『そりゃ、単独で突撃して無様にも返り討ちにあった挙句、可愛い可愛い妹を巻き込んだどこぞのネズミ野郎より、自力で解決できそうなあの金髪娘どもの方がいくらかマシだと踏んだんじゃねえか?』
「あうううううう……」
 ああ、なるほど。ついつい納得すると、ユーノが頭を抱えて呻きだす。
「でも、ジュエルシードはユーノ君が見つけたものなの!」
『相棒の目的は、あくまでもこの世界からあの宝石を――ひいては、魔導師を排除する事だ。誰が持ち主かなんてのはたいした問題じゃねえ。誰が正当な持ち主かなんてのは、そいつらの事情にすぎねえしな。正当な持ち主が誰かって話をしだすなら……そうだな。穿った見方をするなら、そのネズミもどきどもも、あの宝石を生み出した連中の墓から当事者の許可なく勝手に持ち出したと言える。ソイツが掘り返さなけりゃ、こんな事にゃならなかったかもしれないしな』
「でも!」
 なのはは納得しなかったようだが――リブロムの言い分が正しいだろう。所有権云々はともかくとして……少なくとも、光の目的は魔導師の排除と考えて間違いない。間違いなかったはずだ。それが、その魔導師の少女との接触によって変化した。一体何故?
(案外、リブロムの言う通りなのかもな……)
 目的を達成するために、魔法使いは手段を選ばない。それは光自身が言っていた事だ。ユーノと組むより、その子達と組んだ方が都合がいい。そう判断したとして、確かに不思議ではない――が、何かが納得いかない。俺が知っている御神光は――弟は、そこまで打算的な人間ではない。
(となると、ユーノに渡す訳にはいかなくなったってことか?)
 彼が何か嘘をついている。その可能性も、考慮に入れた方がいいのかもしれない。嘘と言うほど積極的なものではなくとも、彼が気付いていない何かがあるという可能性もだ。
 もっとも、仮にそうだとして魔法使いではない俺にその判断ができるとも思えないが。
「その子の人相は分かるか?」
 ため息をついて、問いかける。その少女についても情報を集めた方がよさそうだった。相手が異世界の魔法使いでは、さすがに分が悪いが。
「え? ええ、分かりますが……。なのは、お願い」
「うん。レイジングハート、お願い」
≪Yes,Master≫
 赤い宝玉から映し出されたのは、確かに可愛らしい少女だった。とはいえ、その表情にはどこか陰りがある。その陰りには、見覚えがあった。
「この子……。この目は……」
 思わず声に出していた。この目。訴える事の出来ない寂しさと哀しさが宿ったこの目。この目を知っている。かつて、見て見ぬふりをした事がある。
(昔のな
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