魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇1
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るが。しかし、
(悠長に構えている場合じゃないか)
あの魔石は怪物を生み出す。つまり、この屋敷のすぐ近くでそれが発生する可能性があると言う事だ。幸いなのはとユーノがいるため、発見すれば封印はすぐにできるだろう。それに美由紀もいる。忍とすずか、ノエルなら自分で逃げるくらいはできるだろうが……正直ファリンは少し不安だ。それに、ここにはアリサまでいる。俺一人でどこまで守れるかと言われれば、かなり怪しい。ならば、打って出るだけだ。
「急いで探そう。まだ、この屋敷の敷地内にあるはずだ」
俺がそう言い聞かす頃には、すでになのは達が動き出していた。それはいい。だが、
「そんな!」
程なくして忍が悲鳴を上げた。何かが異境に引っ掛かったらしい。つまり、この屋敷の関係者に害意を持った何者かが侵入したと言う事だ。消えた宝石と併せて考えれば、あまり愉快な想像には繋がりそうにない。
「ノエル、美由紀。皆の守りは任せた。俺は客人の相手をしてくる」
「承知いたしました。ご武運を」
「気をつけてね、恭ちゃん」
忍とすずか、そしてアリサの護衛はノエルに任せ、慌てて屋敷を飛び出す。だが、
「なのは! ユーノ!」
幸いにと言うべきかは分からないが――原因はユーノだった。何でも、光に喧嘩を売ったらしい。この屋敷の関係者という括りなら、将来的には義理の弟になる訳だし、当たり前といえば当たり前の事だが……それはともかく。
光がいた。おそらくあの宝石――ジュエルシードとやらを嗅ぎつけてきたのだろう。それはいい。その為に忍に探してもらったのだから。だが、二人の話を聞く限り、何やらさらに妙な事になっているらしい。
「念のため確認するが、その金髪の子は本当にお前の仲間じゃないんだな?」
「は、はい……。面識はありません」
うなだれるユーノに、ため息をつく。別に彼が悪い訳ではないが。
もう二人、魔導師がこの街にいる。しかも、光はその二人と行動を共にしている。だからユーノが喧嘩など売る羽目になったのだが――それは辻褄が合わなかった。今までの言動を顧みるに、光はユーノのような異世界の魔法使い、彼の言葉に合わせるなら魔導師こそを警戒しているはずなのだが。突然の心変りは一体何を意味するのか。
(いや、待てよ……?)
光は魔導師と言う存在を知っていた。つまり、どこかで面識があったと考えるべきだろう。リブロムもそれらしい事を言っていた。そして、あいつは誰かを探しているらしい。
「あいつがやらなければならない事っていうのは、その子が関係しているのか?」
光には何か目的があるらしい。その目的と言うのがどんな事かは知らないが……。
『いや、違う。そもそも、オレはあの金髪娘を知らねえ。つまり、アイツらとは家を出た後に出会ったって事だ』
俺の呟きに反応したのは、リ
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