魔石の時代
第二章
魔法使い達の狂騒劇1
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場所から、ジュエルシードの反応があるみたい。ここのを封印したら、そのあとでその周りを探そう」
投射された地図は、あくまで簡易的なものだ。縮尺は正確だが、いくつかの建物名……目印となりそうな施設や企業の他は省略されており、大雑把な街の形しか分からない。言うまでも無く、個人的な家の位置など望むべくもなかった。だが、
「確認するが、本当にここで間違いないんだな?」
「え? うん。間違いないよ」
だとするなら、俺は相当に不抜けている。全く、つくづく救い難い。
フェイトが指差している場所は広大な私有地だ。この街で、これほど広大な私有地というのはそういくつもない。その持ち主のどちらとも面識があるが――こちらの方が圧倒的に馴染みがある。つまり――
(本当に、何で気付かなかったんだ?)
そこは月村邸で間違いなかった。
3
光がいなくなって、もうじき半月にもなる。こんなにも長い間離れ離れになった事は今までなかった。
「そっか。光君、まだ帰ってきてないんだ……」
「放浪癖があるって言うのは前から知ってたけど……。二週間も帰ってこないっていうのは珍しいわね」
気分転換に行こう。恭也と美由紀に連れ出されたのは、月村邸――すずかの家。すずかの他にもアリサがいた。大切な親友二人とのひと時は、塞ぎこみがちだった気分をいくらか軽くしてくれる。
「まぁ、どんな用事か知らないけど、アイツの事だから、すぐに終わらせて帰ってくるでしょ。なのはも待ってる訳だし」
「うん……。そうだね」
光がいなくなって二週間。それはつまり、私達がジュエルシードを探している期間でもあった。その間で、私が回収できたのはたった三つ。リブロムは、光を探す事に集中すればいいと言ったが……大切な人達が住むこの街が危険だと言うのに無視はできない。それに、
(ジュエルシードを探せば、きっと光お兄ちゃんにも会えるはず……)
その時こそ、きっと力になって見せる。そう自分に言い聞かせる事くらいしか、今できる事はなかった。
「それにしても、あんなに走り回れるなんて、この子もすっかり元気になったわね」
うりうりと、ユーノの鼻先で軽く指先を動かしながら、アリサが言った。当然ながら、彼女達にはユーノが魔法使い――魔導師である事は話していない。と、それはさておき。
「あ、あははは……。うん、そうだね」
あれは元気になったとは少し違う気がするけれど。そんな事を思う。
すずかの家は、猫屋敷だった。そこにユーノを連れ込んだのは失敗だったのかもしれない。入って早々に、ユーノは部屋にいた猫達にさんざん追い回される羽目になった。ネズミと間違えられたのだろうか。……リブロムが言うには、フェレットはネコ科の動物らしいのだけれど。
「ところで、最近ずっとその鞄を持ち歩いてるけど、何が入
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