第三章
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通事故でなくされたそうよ」
亜紀は答える。これは彼女には残念な話だった。それを聞いて悲しい顔になっていた。
「そうだったの。それは」
「それで残されたお子さん達の家事をしながら働いておられるのよ」
「凄いわね、それはまた」
「そうなの。本当に凄い人なのよ」
「それでその人は幾つなの?」
次に尋ねたのはそこだった。年齢だ。
「大きいお子さんがおられるのよね」
「ええ。女の子が三人」
「三人ね」
それを聞いてコブ付きなんだと心の中で思った。しかも三人とは、とも。興味はないがそれでも心の中ではこう考えたのは彼女もまた独身だからであろう。
「何か結構いいお歳なのね」
「四十五だそうよ」
亜紀は答えた。
「そうなの。四十五ね」
「ええ。四十五歳よ」
「わかったわ」
亜紀の言葉に頷くのだった。
「けれど。四十五で子供さん三人抱えて頑張っておられるなんて。本当に凄い人ね」
「貴女もそう思うのね」
「ええ、そう思うわ」
また素直に答えてみせた。
「そんな人だったら。安心ね」
「安心して仕事ができるわ」
亜紀も答えた。
「私もね」
「いい人が一緒だとね。仕事も気持ちよくできるわね」
「助かってるわ。だから」
「明日行くのも苦じゃないと」
「そういうこと」
笑顔で話を締める。それが終わるとまた仕事に戻る。こうして仕事をしていって。何時しか亜紀は泉水と仕事の時に食事をするようになっていた。
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