第六章 正義の在り処編
第百七十三話 『それぞれの進路と異変』
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議会の息がかかったメンバーの顔写真なども含まれていたためにすぐに見つけ次第検挙できるから。
それでフェイトはランサーを先頭に一部屋ずつ扉を開けて誰かいないかを探っていく。
サーチの魔法を使ってもいいのだがやはり直に見て確認できたほうがいいと、こうして地道な作業を行っているのだ。
そして、最後の一番奥の部屋の前まで到着して、
「……ランサー、お願い」
「あいよ」
フェイトの指示でランサーは勢いよく扉をこじ開けて中に入っていく。
だがそこで異変を察知し、
「フェイト! お前は入ってくるな!」
以前まではフェイトの事を『マスター』と呼んでいたが、恋人同士になったことでランサーは名前で呼ぶようになった。
それはともかくとして、
「ど、どうしたの? ランサー……? 中で一体何が……」
「まだ駄目だ……」
険しい表情でランサーはフェイトの入室を拒む。
それはなぜか……?
答えは簡単であった。
その部屋には数人もの“綺麗”に体を切断されて息絶えている死体がいくつも血の海に転がっていたからだ。
血の匂いが部屋中に充満していてどこか鉄臭く、慣れていないものなら貧血を起こしかねないそんな無残な空間。
壁には血飛沫が舞ったのか赤黒く変色している。
「ひでーもんだ……。誰の仕業だ?」
ランサーは生きているものがもういない事を確認して部屋の中を散策し始める。
そしてすぐになにかを発見した。
「こいつは……」
ランサーは見る。
壁に殺された人の血で描かれたのだろう、ミットチルダの言葉で血文字で、
―――『我等は混沌を求める者。外道なる愚者が創る偽りの世界を壊し、その愚者の血をもって新たな世界を創る』。
と、書かれていたのだ。
「こいつは、事件の匂いがしてくるぜ……。早くたぬきの嬢ちゃんに知らせねェといけねぇな」
ランサーはすぐにフェイトとともにはやての元へとこの内容を報告することになるのであった。
そして、この事件の捜査はすぐに動ける機動六課が中心となって開始されることになるのは、少し先の話である。
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