第六章 正義の在り処編
第百七十三話 『それぞれの進路と異変』
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くて流されやすいから、そこをキャロが手綱を握っていてあげないとね!」
「はい、スバルさん! 私、頑張ります!」
両手の拳を胸の前で握ってキャロは気合を入れる。
すでにキャロの尻に敷かれようとしているエリオ。
彼の将来は、さて、どうなることやら……。
それから色々と女子トークをしている四人。
そこでランはふと、スバルの机の上に置いてある写真立てに気づく。
「……あれ? スバルさん、この写真って……写っているのはスバルさんとティアさんに、後このメガネの似合う可愛い女の子は誰ですか……?」
「あ、リオンの事だね」
「リオン、さんですか……?」
ランとキャロが誰のことだろうと首をかしげている。
それに対してスバルとティアナは少し懐かしい気持ちになりながらも、
「リオンっていう子はね、あたしとティアの訓練校時代のパートナーの一人だったんだよ?」
「パートナーって事は、コンビじゃなくてトリオだったんですか?」
「ええ。自前のデバイス持ちって事で一括りにされちゃってね。訓練校の初めから最後まであたしはスバルとリオンの二人に振り回されていたわ……」
ティアナがしみじみとそう呟くが、そこにスバルが『待った!』と声を張り上げて、
「あたしとリオンだけが迷惑かけていたわけじゃないでしょ、ティア!? そ、そりゃほとんどはあたし達だけど、役にも立っていたでしょ!? ねー?」
「まぁね、少なくともリオンはスバルよりはしっかりとあたしとの歩幅を合わせてくれたわね。あんたはどんどん先に行っちゃうから追いつくのに苦労した覚えはあるからね」
「うー……確かに、そうだけどぉ……」
反論できないのかスバルは『うー』とうめき声を上げるしかできないのであった。
「ま、リオンって子はね。特に真面目な子だったわ。スバルとおんなじ位にはあたしに話しかけてきたし、少し一般常識が欠如気味だったけど意外性はスバルに負けていなかったわ」
「へー……そうなんですか」
「仲が良かったんですか?」
「うん! あたしとティア、そしてリオンは休みの日にはよく遊びに行くほどの親友だったんだ!」
「そうね。最初は組まされただけの仲だったけど、一緒に切磋琢磨していくうちに色々と支え合う仲にはなっていったのは確かね。あの“特殊能力”にも何度も助けられていたしね」
「特殊能力……? なんの魔法ですか?」
キャロがそう尋ねる。
それにティアナは苦笑いを浮かべながらも、違うと言って、
「リオンはね、五秒先までの未来を見れる『予知能力』を持っていたのよ」
「えっ、それってかなりレアスキルじゃないですか!?」
ランがそう声を上げる。そう、それが本当ならかなりのレアスキルである。
魔法とは違う異質の能力。
一種では超能力とも呼ばれる能力。
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