第六章 正義の在り処編
第百七十三話 『それぞれの進路と異変』
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た。
そしてこの事件が機動六課をさらなる戦いに巻き込むことになることも、まだ誰も予想できないのであった……。
◆◇―――――――――◇◆
場所は変わり、機動六課隊舎。
スバルとティアナの部屋。
そこで窓越しにティアナは外を見て、
「雨が、降り出してきたわね……」
そう呟く。
「そうだね、ティア」
それに一緒に部屋にいたスバルが頷く。
「それよりティア。執務官補佐試験、100点満点でよかったね」
「……ありがと」
スバルの賛辞の言葉に少し顔を赤くさせながらティアナは返事をする。
「ま、フェイトさんから私の執務官補佐をしないかという話を聞かされた時は正直驚いたけど、まぁなんとかなってよかったわ」
「うん! ティアの夢にまた一歩近づいたもんね!」
「そうね。フェイトさんのもとで執務官補佐を経験して、そこからあたしも兄さんの目指した執務官になるのよ。これは必ずよ」
「ティアなら、やれるよー!」
「おだてても何も出さないわよ? それよりあんたも湾岸特別救助隊からスカウトきてるんだから、気張りなさいよ?」
「う、うん……」
そう言われてスバルの表情は少し曇る。
心情的には嬉しいのは嬉しいのだが、今までいつも一緒だったティアナと離れ離れになってしまうことに対して不安になっているのがスバルの正直なところである。
ティアナ本人には話さないことだが……。
と、そこに『コンコンッ!』と扉をノックされる音が響いてくる。
「あ、はーい! 入っていいよ!」
スバルがそう言うと扉が開いて二人の女子……キャロにラン、ついでにフリードが入ってくる。
「あら……。二人が一緒に来るなんて珍しいわね?」
「あはは。はい、キャロと機動六課解散後のこれからについて話し合っていたらティアさんとスバルさんの話も聞きたくなったんです。私達フォワードもそれぞれの進路に向かってバラバラになってしまいますから」
「そうね。エリオにキャロは辺境自然保護隊に行くことになって、ランにレンはシホさんの元の配属先である魔術事件対策課の魔術師として活動していくのよね」
「はい。機動六課解散後もシホさんと一緒の職場に働けるのは正直に言えば嬉しいです。親離れ出来ていないみたいでなんか、あれですけどね……」
タハハ……、とランは頭を掻きながら笑う。
それにつられてキャロも『クスッ』と笑い、
「シホさんと一緒の職場で働けるんですからいいじゃないですか。私もエリオ君と一緒のところで働けるのはとても嬉しいです! ね? フリード」
「キュクー!」
フリードも嬉しそうに羽をバサバサと揺らす。
「そっかー……キャロ、エリオと頑張るんだよ? エリオはああ見えて意外にそそっかし
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