暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth8シュトゥラの魔神〜Odin Saintest Von SchserwaloaD〜
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まず勝てないだろうからな。

†††Sideシグナム⇒????†††

支天の翼シュリエルリート。此度の“闇の書”の主であるオーディンが、私の為だけに考えて贈って下さった、私だけの名前。
永きに亘り旅をしてきた我らだが、これまでの主にまともな扱いを受けた事は無かった。しかし、「これがこの戦船の動力炉か。確かに膨大な魔力を感じる・・・よし」と、この戦船を動かしている動力炉を見上げ、満足そうに頷いている我らが主オーディンは、戦の道具であった騎士たちを家族として見てくれ、迎え入れてくれた。

「シュリエル。少しばかり私は無防備になる。その間、敵が来たら迎撃してもらいたい。頼めるか?」

「はい、もちろんです。オーディンに害為す者が来れば、必ずや排除いたします」

命令ではなくお願い。そこからして今までの主とは違う。私は踵を返して動力室の入口へと向かって歩く。その途中、僅かに振り向き、オーディンの後ろ姿を横目で見る。オーディンは動力炉へと手を伸ばし、ピタリと手の平を付いた。そして小さく「コード・イドゥン」と呟く。
目を疑う光景。戦船の動力である魔力が、オーディンの手へと吸収されていく。オーディンは魔力の枯渇によって記憶を失う。それに対する策が、おそらく今の魔力吸収。あれならば魔力を消費しても供給できる。激しい震動が私とオーディンを襲う。動力を失っていく事で戦船が墜落しようとしている。

「シュリエル、脱出するぞ」

――女神の陽光(コード・ソール)――

オーディンは内壁に手を翳し、強大な蒼炎の砲撃を放ち、壁に大穴を開けた。たった一撃で分厚い戦船の装甲を貫通する、溜めが無くとも発揮されたその威力に、私は軽く戦慄した。しかしオーディンはその圧倒的な力を支配や破壊の為ではなく、守り救うために使うという信念を持っている。だから私や騎士たちは何も憂うことなく付いて行ける。きっとオーディンの選び進む道は間違ってはいないのだから。

「スレイプニール・・・!」

背に構成されている三対の黒翼を羽ばたかせ、蒼光の剣翼と細長いひし形の翼、計22枚を背負うオーディンの後に続いて私も船外へと飛び立つ。それとほぼ同時だった。別の2隻の戦船が、先程までオーディンと私の居た戦船に向けて幾条もの砲撃を放ったのは。
一斉掃射を受けた戦船が爆散する。衝撃波や破片に巻き込まれてしまう。そう思った時、オーディンが私の体を抱きかかえてくれた。視界が一瞬真っ白となる。視界が元に戻った時、私はオーディンに抱きかかえられている状態で、戦船は遥か下。

「さぁ2隻目に行こう・・・!」

オーディンは私の腰に回していた腕を離し、それだけを言って急降下。私も続けて急降下を開始。私たちを迎撃するために放たれた艦載砲撃は曲線を描き、私たちに迫ってくる。オーディンは
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