第四章
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」
「わかってるつもりだよ、そのことは」
「ならいいけれどね」
「とにかく。ロングヘアはそのままだし」
これも妥協だった。
「いいよ」
「それじゃあね」
こう話してだ、そのうえで。
舞子は笑って僕の前から去って自分の彼氏のところに行った、僕はその後で智樹とも話して彼からはこう言われた。
「まあ、俺もな」
「胸が、だね」
「しぼんでも垂れてもな」
今付き合っている彼女の胸が例えどうなっても、というのだ。
「いいよ」
「妥協するんだね、そこは」
「ああ、確かに大きいに越したことはないさ」
これは絶対だった、智樹にとっては。
「けれど俺なんかと付き合ってくれて可愛くて性格もよくてな」
「それだけで別れるってね」
「やっぱり無理だな」
「そうだよね」
「一回手に入れたものはそう簡単に手放せないだろ」
それが彼女であるなら尚更だ。
「そういうことだよ」
「かなりのことでもね」
「そういうことだよ」
「絶対と思っていることでもね」
「そうもいかないんだよ」
「そういうことだよね」
「ああ、世の中ってな」
そして人間もだった、僕は智樹とそうした話もした。そうして彼女と楽しく交際を続けた。もう黒髪ではなくなった彼女とそれでも幸せに。
絶対黒髪少女 完
2014・7・31
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