第三章
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「私も今は脱色してショートにしてるけれど」
「それあのアイドルグループの」
「一番年長で背の高い人のね」
そのヘアスタイルだった、もう卒業したけれど。
「あの人の髪型にしてるの」
「そうだよね」
「私も流行のそれよ」
人気アイドルグループの人の髪型だからだ。
「変えようと思えば変えられるわよ」
「そういうことだね」
「まあ流行を待つことね」
何につけてもだった、結局僕が着いた答えはそうした他人任せとも言えるものだった。けれど本当にそれ次第だった。
そしてだ、僕はずっと相手を探していた。黒髪ロングヘアの人を。
しかしそうした中でだ、変わった。僕が来て欲しいと思っていた流行がだ、遂に来た。
そのアイドルグループの中で黒髪のロングヘアの妹系の娘がトップになった、選挙でその座を勝ち取った。すると。
街に黒のロングヘアの娘が一気に増えた、そしてだった。
僕の選択肢が一気に拡がった、その結果。
僕はこの娘だ、というまるで天使みたいな可愛さと性格の娘を見付けて声をかけた、その結果だった。
その娘と付き合うことになった、その幸せの絶頂に入った僕にだ、髪型ではなく胸にこだわっていた智樹が言った。
「よかったな、彼女出来たらしいな」
「うん、目出度くね」
「あれだな、やっぱりな」
「黒のロングヘアが流行になったからね」
だからだった。
「僕も彼女が出来たよ」
「そうだな、まあ俺はな」
「胸はね」
「ああ、日本人は長い間貧乳が多かったけれどな」
スタイル的にだ、それで長い間金髪美女が持て囃されていた。しかしそれが大きく変わったのだ。
「栄養の関係だろうな」
「肉に牛乳にね」
つまりその金髪美女達と同じものを食べてだ。
「胸が大きい娘が増えてね」
「俺は最初からそれだったからな」
「彼女出来たんだね」
「女の子ってのは胸だよ」
智樹は笑って言い切った。
「あくまで俺の考えだけれどな」
「胸が大きいかどうかだね」
「そういうことだよ、それでコクりまくってな」
そしてだった。
「ゲットしたぜ、彼女」
「よかったね」
「本当にな。ただな」
「ただ?」
「考えてみたらな」
ここでだ、こんなことを言った智樹だった。
「胸ってな」
「胸がどうしたの?」
「いや、形変わるだろ」
「あれっ、そうかな」
「ああ、歳と一緒にな」
「そういえばそうだね」
僕は智樹の言葉に頷いた、胸は成長して大きくなるものでしかもだ、歳を取ると垂れてしまう。智樹が言うのはこのことだった。
「そうなるね」
「だからな」
「今はいいけれど」
「将来はどうだろうな」
かなり真剣に悩む顔でだ、智樹は僕に言った。
「かなり不安だぜ」
「それを言えば僕もね」
「そうそう、黒髪の
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