暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
70話:The beginning of StrikerS side Stars
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思ってはいるが、中々踏ん切りがつかない感じがして、止められないでいた。
そんな毎日を送っている中、私はその日もお墓参りに行った。

だけどその日は、先客がいた。
兄のお墓の前に、青みのあるジーパンを穿き、黒い上着を着た男性が両手を合わせていた。

この人には、見覚えがあった。
忘れもしない、あの時あの男性を殴った人だった。

その人は私が近づいてきた事に気づいたのか、こちらに顔を向けた。
あっ、と小さく声を漏らして目を見開く。だけどすぐに引き締まった表情になり、立ち上がった。


「ティアナ・ランスターさん…でいいのかな?」
「あ…はい、そうです」


これが、私とこの人≠ニの初めての対話だった。

その後、私が兄のお墓参りを済ませるまで、この人はこの場を離れずに待っていた。
そして少し話があると、私を近くのベンチに座らせた。


「最初に…すまなかった」
「…え?」


座ってから少し間を置いてからの初めの一言は、謝罪だった。


「ティーダさんの葬儀をめちゃくちゃにしちまって…」
「あ、いえ!そんなこと…」


慌てて両手を振って、この人の言葉を否定した。だってあの時私は…


「多分、あなたが殴ってなかったら私が殴ってたと思います。どちらにしても、めちゃくちゃになってたかと」


そう言うとその人は目を丸くしたかと思ったら、何故か急に笑い出した。


「な、なんですか急に…」
「いやぁ、ほんとティーダさんの言ってた通りの妹さんだな〜、って思っただけさ」


その言葉に、今度は私が目を丸くした。


「あ、兄とは…どういった関係で?」
「あぁ、まぁ今回の一件の前に一度、一緒の任務をこなしただけなんだけどな。まぁティーダさんから見たら、多分出来のいい後輩か、いい友人ってとこかな?」


結構年離れてるけどな、とまた笑ってそう言った。


「ティーダさんは凄かったな〜。銃の腕もしかり、人柄もしかり…そう言う意味では、尊敬に値する人だったよ。俺の射撃訓練にも付き合ってくれたしな」


そうやって嬉しそうに語るこの人を見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなっていた。

その後、しばらくは兄の話題で盛り上がった。
仕事の合間に私の事を話していて、その表情が面白すぎて笑えた、なんてことを言われ、頬を赤らめた事もあった。

だけど急に私は、ふと思ったことがあった。少し前の、あの言葉。


「今回の一件ってことは、兄と同じ任務だったんですか?」


それを聞いた瞬間、また表情を変えた。


「…あぁ、ある事件で一緒に捜査をしていた」


ぽつぽつと、多分悪い影響のないぐらいに話を省いて、事件の事を話してくれた。

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