暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
70話:The beginning of StrikerS side Stars
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―――――えっ…?

変な声が聞こえ、いつの間にか下がっていた視線を再び上げると、そこにはさっきまで立っていた筈の男性が……地面に伏せていた。

そして拳を握って立っている、別の男性が……そこに立っていた。
男性、と言っても私の三つか四つ程年上の人だ。


「ふざけんな……ふざけんなよっ!!」


そう叫ぶのは、拳を握っているほうの男性。その表情は憎悪とも怒りとも、はたまた別の何かのようにも捉えられる表情だった。


「ティーダさんが無能だと?使えない奴だと?―――ふざけんじゃねぇ!」


倒れている男性の胸倉を掴み、持ち上げる。持ち上げられた男性の鼻からは血が流れており、結構痛そうだった。


「お前はあの人の何を知ってるっていうんだ?あの人が何を思って戦っているのか、お前は知ってるのか!?」
「そ、そんな事知ったところで…!」
「そんなのも知らないで!お前はあの人を侮辱するのか!?あの人を冒涜するのか!?ざけんじゃねぇ!」
「ぶはっ!?」


持ち上げた男性に拳を振るい、再び殴った。
また倒れた男性を、今度は持ち上げる事はせず、そのまま胸倉を掴んだ。


「き、貴様!私にこんなことしてただで済むと―――」
「思わねぇよ、これっぽっちも。でもそんな事はどうでもいいんだよ……俺はテメェの事が気に食わなくて、俺の気持ちに正直になってるだけだ。こうやって…!!」
「コラ、止めろ門寺!」
「くっ、離してください!こいつは俺が…!」


離せー、って叫びながら周辺の人達から取り押さえられていった。

ふと気づくと、私の右手に爪が少しだけ食い込んで、血が出てた。
もしかしたら、あの人が出てきてくれなかったら、私が殴りに行ってたかもしれない。


あぁ、なんか…視界が霞むな……
気付いた時には、目から涙が出ていた。慌てて手で拭うけど、止まらない。

このままじゃ、ダメだ。これ以上、泣いたら……

そう思って私は、その場から走り去った。
そして誰もいない場所で、人気がない事を確認してから……泣き叫んだ。このやり場のない気持ちを、それこそぶちまけるように。


兄が死んでしまった事に対する―――悲しさ。
兄を侮辱された事に対する―――悔しさ。
兄を無能呼ばわりした、あの男性に対する―――怒り。


その全てが今、涙になって流れている。
兄が死んでから今まで、ずっと流せなかった涙を……全部まとめて、代わりに流すかのように。







それから数カ月が経った。
私はほぼ毎日のように、兄のお墓参りに行っていた。

毎日毎日、花とお線香を持ってきて、毎日来るから軽くだが、掃除もやっている。
いつかは止めて、普通に生活しようと
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