暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
StrikerSプロローグ エースとストライカー、それぞれの第一歩
70話:The beginning of StrikerS side Stars
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ど、声色でなんとなく安心しているのがわかった。

そしてこの時、私はこの人が腰に付けているベルトを見て、気づいた。


「もう大丈夫だ。これから安全な場所に…」


私が声をかけようと思ったその時、赤いローブの人の名前を言いながら、誰かがやってきた。多分魔法を使って飛んでいる、白い服の人。その人が赤いローブの人と数回言葉を交わすと、ローブの人はどこかへ行ってしまった。
そしてさっきやってきた白い人は、ローブの人と同じように大丈夫だと言って、私の周りに防御壁を作ってデバイスを天井に向けた。

その瞬間の白い人の背中が…なんとなく、さっきの赤いローブの人と同じように見えた。


「ディバイィィィィン―――バスタァァァァーー!!」


少しの衝撃と共に飛んでいったピンク色の光は、いとも簡単に天井を突き抜けた。白い人はすぐに私を抱えて、穴の開いた天井から外へ飛び出した。

飛んでいる間に、白い人の肩の向こうに見えた夜空。その隣にある、私を連れ出してくれた白い人の優しい笑顔。
頬を掠めていく風は冷たく、でも優しくて。私を抱える腕は、かつて頭を撫でてくれたあの人≠ニ同じように、温かかった。





炎の中から助けられて、救急車の担架で横になっている間、まだ燃えている空港へ戻っていく白い人の背中を、見えなくなるまでずっと眺めていた。
その背中は強くて優しくて、カッコよくて。ずっと泣いてばかりいた私が、自分で情けなく思えるぐらいに、輝いていた。

そしてあの時見た、あの赤いローブの人の―――ベルト。
中央に赤い宝石が埋め込まれている白いベルト。見間違える筈がない、私が憧れたあの人≠フものだ。だからわかった、あの赤いローブの人はあの人≠セって。

私を助けてくれたあの人≠フ背中と、連れ出してくれた白い人の背中。
二人共同じように強くて、優しい背中。そんな背中に守られて、私は今ここにいる。

でも私は、あの人達よりもずっと弱くて、泣き虫で……そんな自分が、情けなくて…本当は認めたくなかった…と、思う。
だから私は、ある一つの事を心に決めた。


―――泣いてるだけなのも、何もできないのも…もう、嫌だ。

私を助けてくれた、救ってくれたあの人達のように……強くなる≠チて。
























私には兄がいた。

首都航空隊の航空魔導師で、当時の地上での階級は一等空尉。執務官志望で、いずれはエース級の魔導師になるとうたわれた人。
私の自慢の、憧れの兄だった。

でも、結局はいた≠セし当時の≠セし、だった≠セ。
今はもう、この世界には…この世にはいない。


『犯罪者を追跡中に、犯罪者と戦闘
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