マクロスF
0693話
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見た予想でしか無いしな。一応報告書にはその辺を書いて提出してあるので、後はそれを読んだ上の者が判断するだろう。
「ああ、そう言えば」
そんな風に一瞬会話が途切れた後、唐突にルカが俺の方へと何かを差し出してくる。
その手に握られているのは、見覚えのないイヤリングだ。
「……それは?」
見覚えが無いだけにそう尋ねるが、何故か驚愕の表情を浮かべるルカ。
「え? アクセル君のじゃないんですか?」
「いや、初めて見るが……」
「だってこのイヤリング、アクセル君の機体のコックピットに落ちてたんですよ? だからてっきりアクセル君のイヤリングだと思ってたんだけど」
「そう言われても身に覚えが無いしな」
紫色の宝石らしい物を金属で覆うような形をしているそのイヤリングは、どう見ても俺の物じゃないし、それ以前に俺はイヤリングを付けたりはしていない。以前は魔法発動体として腕輪を身につけていたが、混沌精霊になった時に吸収してしまったしな。
「うーん、じゃあどうする? 本当にアクセル君に覚えが無いなら、遺失物係にでも提出しておくけど」
「ああ、そうしてくれ。恐らく整備員かL.A.Iの技術者の誰かの私物だろうし」
「うん、じゃあそういう事で」
受け取ったイヤリングをルカに預け、その場を去ろうとした時……
「全員、集合しろ!」
格納庫の中にオズマの声が響き渡った。
……何だ? 声のした方を見ると、オズマの他にもアルトの姿がある。
「アルト先輩……」
「そう言えば、アルトはもうお前の事は知ってるんだったよな?」
「え? あ、はい。昨日ランカさんと一緒に保護した時に顔を合わせてますし。その、微妙に不機嫌そうでしたけど」
それはそうだろう。友人――あるいはライバル――だと思っていた相手が、自分に隠し事をしてS.M.Sなんて会社に就職していたのだから。……いや、この場合は就職というよりもバイト的な扱いになるのか? 守秘義務とかがあったと言われても、理解は出来ても納得出来ないだろう。
まぁ、俺が最初からS.M.S所属って事を言っておいたのでそれ程違和感無く受け入れたのかもしれないが。
「取りあえず行ってみましょう。アルト先輩に関係することらしいですし」
「そうだな。アルトのこれからにも関係してくるだろうし」
俺が頷く前に言葉を挟んできたのは、少し離れた場所で自分の機体の調整を行っていたミハエルだった。
「ミハエル、お前の方の機体は問題無いのか?」
「当然だろ。俺は誰かさんみたいに機体に負担を与える操縦なんかしてないしな」
「ま、機体の追従性に収まっている身体能力しか無いんなら、確かに問題は無いか」
「……へぇ、妙に棘のある言葉だな?」
「そうか? 俺は思った事を
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