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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
30 母としての愛情
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そしてとうとう目的の階に近づき、ベルトからフックを外した。

「ウッ!?」

ワイヤーを回収する勢いから外れ、地下1階の廊下に弾き出された。
廊下で転がるが、すぐに起き上がる。

「フゥ...」

スターダストは1回深呼吸をして耳を澄ました。
周囲の状況を確認するためだ。
だが数分前と違い、静かになっている。
おそらく先程襲ってきたValkyrieの軍勢は偵察のための兵だったのだろう。
偵察だけのつもりが本当に敵と出くわしてしまい、返り討ちにあった。
出くわしても自分たちで電波妨害している以上、伝えることが出来ないのだ。
それは既に計画を狂わされてばかりの状況では希望の持てる好都合な状況だった。

「今行くぞ、メリー」

スターダストは腰の部分に装備した新たな武器に手を伸ばした。
ハートレスから与えられた手のひらサイズの黒い装置、ちょうどモバイルWi-Fiルーターのような形状をしている。
中央のボタンを押すことで静かに作動した。
しかし対照的に周囲からは大きな音が響いた。

「おい!?何だ!!」
「停電?」
「ブレーカーを探せ!!」

地下1階の廊下は一瞬で闇の世界へと変貌した。
スターダストの作動させたEMP発生装置の影響で周囲の照明や機械類が全てダウンしたのだ。
戦場で敵の電気設備を潰す為のもので多くの需要があるかと思われたが、使用可能な領域が半径数十メートルと狭く、最終的には生産されずに例の地下ガレージに保管されたガラクタ同然の扱いを受けてきたものがこの局面では大きな戦力となっている。
スターダストはバイザーの暗視機能をオンにすると息を殺しながら闇を味方につけ、メリーが囚われている場所へと一歩踏み出した。

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