憎悪との対峙
30 母としての愛情
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「...あなたの娘さんを奪ったのは」
「そう、ディーラーよ。でも皮肉よね、今や私はキングの側近。私たちから娘を...雛梨を奪った張本人だっていうのに、その母親の顔も忘れて、自分の側に置いておくなんて」
「ヒナリ...さん?じゃあメリーさんはあなたの...」
「おっと、話し過ぎたわね。まだ少し早いけど、そろそろ所定の位置で待機するわ」
「待って...サイトくんは家族を知らなかった。でもメリーさんの事は妹として、家族として愛してる。そんな彼を..あなたはどう思ってるの?」
「...さぁ。でも、どうしても愛せずにはいられない。家族だから」
ハートレスはデスクの上のガジェットを手に取り、アイリスから受け取ったワクチンチップを挿入した。
ハンドガンのような形状をしている変わった物体だった。
「それは?」
「治療用のヒーリングパルス照射装置。主に治療プログラムを照射して精神や肉体に治療するものだけど、脳に干渉することで悪意のあるプログラムを上書きされる可能性があるという指摘から使用用途がかなり限定されているの。代わりにこれを使えば、メリーを助けられる。ダークチップは精神、脳に上書きするものだから」
ハートレスはそう言って愛車のガヤルドに乗り込み、エンジンを掛けた。
そしてゆっくりとガヤルドの乗った床がリフトアップしていく。
それは地上の庭にあるガレージへと通じていた。
「16時52分、十分間に合う」
カーナビはマップデータがネットから受信できない為、旧来のDVDに保存されたマップデータで代用し、GPSによる位置情報を参照して大まかな必要時間を割り出す。
それを確認して一度、深呼吸をすると一気にアクセルを踏み込み、ガレージから飛び出した。
スターダストは階段の前まで進んだ。
螺旋階段を見上げると数人の敵が待ち構えている。
「予定通り...」
スターダストはユーティリティベルトからグングニルを取り出して、ワイヤー弾を装填した。
ワイヤー弾を使って一気に地下1階へと向かう。
芸術学校の為、外見重視の点から螺旋階段というデザインになっているが、実際問題登りにくい。
ワイヤー弾ならば中央の空間をグングニルの高速でワイヤーを回収出来る性能を使えば、僅か数秒で登れる。
照準を地上1階の地下階段入り口の手すりに定め、トリガーに指をかけた。
しかしその瞬間、謎の衝撃波がスターダストのグングニルを弾き飛ばした。
「!?....ハープ・ノート」
スターダストは瞬時に衝撃波の向かってきた方向を向く。
そこには武器のギターを構え、睨みつけているハープ・ノートが立っていた。
前にネット上で見たことがあった。
ウェーブ
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