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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九四幕 「オウゴンジダイ」
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いの最中ならばチャージを行いながら別の火器で隙を補えるが、初射のチャージは誤魔化せない。その点で既にこの装備は世界最高水準の技術で造られているのが分かった。
雨月の刀身が滞留エネルギーで赤みを帯び、『オージェ』の砲身から青白いプラズマ光が漏れだす。
「食らえっ!」
「発射ぁ!!」
篠ノ之博士謹製だという虫のようなターゲットドローンを相手に、真紅のエネルギー弾と目にも留まらぬ超音速の弾丸が発射された。エネルギー弾が計5発、レールガンが計6発連射。
恐るべき熱量と威力を秘めた砲撃はドローンを装甲ごと粉砕、貫通し、破壊力の余波で周囲のドローンの体が装甲板ごと捻じれ、弾けるように爆散。僅か数秒でドローンは全滅した。
『続いてミサイル撃つよー!!今度は箒ちゃんはスペースリバ・・・
空裂
(
からわれ
)
を!!』
「は?今一瞬何と・・・?」
『成金ちゃんは『S&W』を起動ね!』
「だから成金って・・・って、何それ?スミス&ウェッソン?」
S&Wと言えば米国を代表する銃器メーカーだ。何だそれと首を傾げる佐藤さんにレーイチが補足説明する。
《マスター。S&Wとは片手用ブレード『サウダーデ』と『ワイバーン』を連結させて投擲武器にするモードです。ブーメランのようなものだとお考えください》
『まったく成金はこれだから発想が貧困で・・・』
《束様。あまり度が過ぎると私も黙っている訳にはいかなくなります》
『・・・むぅ。悪かったよ、ごめん』
「あー・・・よく分からないけど『S&W』起動!」
「空裂、来い!!」
既に束博士は量子展開でミサイルを発射しているのですぐさま迎撃する必要がある。紅椿の左手にもう一本の刀「空裂」が握られた。
また、アルキミアの非固定浮遊部位の中でひときわ大きな両翼の一部が切り離され、2本の刀身となった。《オージェ》といいこの2本といい、このISの製作者はISの特徴である量子化を用いない兵装を好んでいるのだろうか。拡張領域の節約にはなるが、技術的難易度はかなり高い。やはりチカさんは只者ではないと認識を改める。
そして、2人は再び迎撃。空裂の横一閃によって文字通り空を裂いたエネルギーの斬撃と、2メートルの刃渡りになった片刃連結刃の投擲が飛来したミサイルを紙くず同然に切り裂いた。
「・・・飛来する斬撃、か。言葉にするのは簡単だが・・・こんなものが現れれば世界の技術者は黙っていないな。
母国
(
ドイツ
)
の同僚が何と言うか」
「それだけではありません。今の段階で使用した4つの武装全てが既存の技術力で再現することの困難なものです」
「所属問題とか、条約批准の問題とか・・・・・・問題の塊です」
2機のISが爆炎に照らされる。その雄姿に無邪気にはしゃぐ者たちに混ざり、箒と佐藤さんを含めた数名は素直に喜べない
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