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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九四幕 「オウゴンジダイ」
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は、束が起こすとか?そこに思いが至った箒は暫く紅椿の初期化と最適処理が終了したことも忘れ、全てを悟ったような顔で佐藤さんに歩み寄った。しょんぼり肩を落としてブツブツと喋る佐藤さんのマニュピレータをそっと握る。
「佐藤さん」
「・・・なんでしょーか、箒様」
「今日はきっと長い一日になる。“覚悟”だけ、決めておこう」
「もう何かあること前提なんだね!?分かってたけどさッ!!」
丁度その時、アリキミアの初期化・最適処理が終了し、二機のISのテストが可能になった。
= =
「ああ、その・・・何だろーね」
「どうした、佐藤さん?」
ぽりぽりと頬を掻きながら箒に通信を送る佐藤さん。躊躇いがちに、遠慮がちに迷った挙句、やはり聞かずにはおれなかったのか質問した。
「いやね、さっきの“覚悟”の話。ちょっとした個人的興味なんだけど・・・もし無駄だったらどうするの?」
「無駄だったら、と言うと?」
「もしも“覚悟”虚しくトラブルに巻き込まれたら・・・それで、怪我でもしたりしたら、“覚悟”をしたことに意味はあるのかな?回避できずに結局悲劇になったとしたら、箒ちゃんはどう思って・・・・・・そんなことを言ったの?」
その言葉に指で顎をなぞった箒は、そうだな、と小さくつぶやく。
「私は“結果”だけを求めている訳じゃない。“結果”だけを求めると・・・なんでもかんでも無駄な事だと自棄になって、本質を見失うかもしれない。やる気も次第に失せていく」
「・・・・・・」
「大切なのは『未来へ向かう意志』だと思っている。覚悟というのは諦めの覚悟じゃない。これから何が起きたとしても、それに何時でも立ち向かえるような・・・そんな覚悟、そんな意志だ。向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は傷ついたとしてもいつかはそれが糧になるだろう?未来へ向かっている訳だからな・・・・・・」
「で、その未来の為に『任務は遂行する』、『自分の身も守る』、『両方』やらなくっちゃあならないってのが『専用機持ち』の辛いところだね」
「そうだ・・・・・・さて佐藤さん。”覚悟”はいいか?私はできてる」
どことなく箒と佐藤さんの会話も黄金である。なんとなくだが二人の周囲をサルディニア島の輝く風が吹いているような気がする。まぁ、きっと気のせいだろう。ともかく、2人はこれからISの機動テストとして束の用意した訓練用仮想敵とドンパチをするのだ。拒否権は当然ながらない。
指示と共に、2人同時に跳躍。PICが正常に作動し、ISのフレームが操縦者を乗せて宙に浮く。
――飛んだ瞬間に私が抱いた感想は、意外なことに「恥ずかしい」でも「不安」でもなく、ごくごく自然体な精神で「ああ、私の背中には翼が生えたのだ」という非常にメルヘンチックなものだった。
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