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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九四幕 「オウゴンジダイ」
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右腕、金色。
左腕、金色。
右足、金色。
左足、金色。
固定装甲、胸部パーツ、非固定浮遊部位、そして背部からだとよく見える爬虫類の尾を彷彿とさせる長いパーツ・・・その他諸々全てがすべて金色。頭部の何所となく三日月を模したようでそうでもない鋭角的パーツの付いたヘッドギアが太陽光を反射してどことなくガイ○ックスっぽい光り方をしている。このヘッドギア、何故か額にガンダムか勇者ロボ的な額中てもセットで付いており、言うまでもなく被っている本人はとっても恥ずかしいのである。

「うふうふうふふ。私は明日から“成金ちゃん”って呼ばれてみんなに後ろ指刺されるんだぁ・・・」
「チカ君が私と喋る時間さえ削って作り上げたその専用ISに何か不満が?」
「身に余る光栄でアリマスッ!!」
「・・・・・・ったく、チカ君も何でこんな奴に・・・ぶつぶつ・・・・・・」

何やら不満を漏らしながらも紅椿の方へ向かった束の背中を見つめ、佐藤さんはもう何度目になるか分からない溜息を吐いた。

そんな様子を横から見ていた箒は、何故束がこれほど不機嫌なのかようやく得心がいった。要は、チカが知らない女にISを送ったのに嫉妬しているのだ。

束とチカの付き合いは、白騎士事件の起きる数か月ほど前からだったと思う。当時から今に至るまで極端に人付き合いが少なかった姉が突然、当時小学生(箒は幼稚園児だった)を家に連れてきたのがチカとの出会いだった。ほぼ無理やりのようなものだったため千冬に誘拐事件と勘違いされたり色々あったが、当時技術面で唯一束と同レベルの会話が出来たのがチカだった。

束にとっては箒や千冬以外で唯一と言ってもいい友達で、確か束と会う前から「あんなもの」を実用していたことを考えると頭脳面で対等以上の人間。そんな世界に2人といない技術者に、束は依存に近いほどの入れ込みを見せていた。唯一、本当に唯一、束の発明に技術的なケチをつけられる男・・・そんな彼に束は全面的な信頼と一方的な好意を浴びせまくっていた。それほど束にとっては特別な人間だったのだ。束が本気で暴走したら、止められるのはチカしかいないとは千冬の談である。
・・・・・・言うまでもなく本人はため息交じりの対応をしてたが。

とにかく、そんな大切な人がわざわざ凡人(束視点)相手にこれほど手の込んだ物を送るのだから、気に入らないのだろう。何故チカが佐藤さんにあれほど悪趣味な専用ISを送ったのかはいまだに不明だが、「チカさんのやることに無駄と間違いはない」。これは箒の中では揺るぎない事実だ。だから佐藤さんがチカに選ばれたのにも訳があるのだ。理由は分からなくともそれは間違いない。そして今日この時に送られてきたのにも、恐らく意味がある。

例えば・・・例えば、うん。今日、ISが必要になる事態が起きるとか。若しく
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