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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第九一幕 「予感」
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にバランスが崩された。本人がその気ならば今の一撃で足を砕くことも出来たはずだ。
だが、向こうが手加減してくると分かっているからこそ、立て直しのできるよう上半身は準備をしていた。軸になっていた右足にばねを効かせて横っ飛びに跳躍し、側転しながら体勢を立て直す。
と、同時に再度跳躍。地を這うように低い体勢でぐんぐん加速し、死角から飛び込んできたジョウの足をほぼ反射的にくぐりながら、それのふくらはぎ辺りを脇に挟むように抱えて回転するような体さばきを加える。足一本を掴みこんでバランスを崩してやろうという魂胆だったが、それもまた失敗に終わった。
「掴みが甘い・・・ぜっ!」
「何っ!?」
体全体を回転させるようにスクリュー回転した足が、がっちり捉えた筈のユウの懐を一瞬で脱出する。ジョウの体勢を崩すはずが、自分のの体勢が崩れる形になった。しまった、と思ったときにはもう遅い。既に目の前にユウに止めを刺そうと伸びたジョウの腕が―――
「―――そこだ!!」
「へぇ、そう来たか!」
伸びた腕をユウが掴む。今度は派手な動きをしないと振りほどけない程に全力の握力で右手首を掴み取った。ジョウは組手で投げ技を多用する癖がある。普段ならばこれを掴み返してももう片方の手と足、もしくは頭突きによって動きが殺されるのを防いだうえでこちらを潰しに来る。
だが、ユウは体勢が低く、ジョウは高い体勢から掴みにかかっている。投げ技は相手の懐に入り、勢いをうまく利用してこそその効果が望めるのだが、ユウの体勢が悪いため上からでも投げ飛ばせると判断したのだ。
それを狙っていたわけではない。だが、可能性やシチュエーションとしてはあらかじめ考えていた。だからこそ、掴んで全力で引きずり込む。体勢さえ崩せばこちらのものだ・・・・・・った、筈なのだが。
「だが詰めが甘々だな。ほーれ、これでも対応できるか!?」
「ぐえっ!?」
逆に、掴まれた瞬間にすぐさまユウに飛び込む体勢へと変更していたジョウは、その勢いのままゼロ距離まで飛び込んでユウにサブミッションを仕掛けた。そこまで想定し切れていなかったユウは掴みこんだ腕を逆にひねられた上に首にまで腕を回され、頭突きで対抗する余地もないほどに締め上げられてしまう事となった。
「うぎぎッ・・・・!ギブアップ!!」
悔しいが、今回もジョウはユウの数枚上手だった。遺憾ながらそれを認めざるを得ない状況になったユウは、勝利を手放した。
「よし、本日の夜間組手はこれにてしゅーりょ〜。お疲れさん、後で温泉入っておけよ?」
「了解・・・・・・とまぁ、それはさておき」
仰向けに倒れた体勢から跳ね起きたユウは、既に旅館へと向かうジョウの背中に話しかける。
「夜の組手なんて珍しいじゃない。しかもよその土地で、権利濫用まで
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