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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
番外編 「リメンバー・ウルフ 後編」
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ッとガッツポーズしたら飢狼が呆れた。あからさまな、そして力強いガッツポーズである。
確かに、難易度や実力の話を除けば公式についていけるチャンスである。しかもそのカードを切るタイミングはとっくにラウラに譲渡した。後はじっくりたっぷり人生設計と相談しながら力をつけ、万全の態勢で突進すればいい。・・・・・・無論コイツの事だから、裏道を探しながらだろうか。
左右に体を揺らして嬉しそうに鼻歌で軍歌を歌う上機嫌な兎の頭を撫でてやりながら、狼は何度も繰り返した溜息をもう一度吐くのだった。
ラウラはこの時、名刺を受取った瞬間に、頭の片隅でとある推論を立てていた。
この名刺を出して自分を社に誘った理由を。
ラウラは確かに兵士として優秀ではある。だが、「マークウルフ」という会社は化物染みた傭兵がごろごろいる場所である。現代の英傑ともなれる圧倒的な才能を有した会社は新入社員を雇う必要もないほど人材が足りている。事実、ここ数年は事務の人間以外は一人も採用を行っていない。それを、敢えて誘った。
つまり、マーク・ウルフは近々人手不足になる。
或いは、マークウルフは今までになかった人材を求めているかもしれない。現在のマークウルフに足りない人材とは何か。現代から過去に到るまでありとあらゆる戦争の手段を模索した、人類の闘争の粋を集めたあの化物の群れが唯一持っていないものは何か。
――ISしか思いつかない。そして人材確保に乗り出すという事は、「企業が使えるISコア」が近々生まれる状況が出来ると踏んでいる。
つまり、コアの流出若しくはアラスカ条約の破綻が起こる。
それとも、ラウラという一個人に対してこのスカウトを仕掛けたのにはラウラ自身の将来に関して何かの推論を立てているのかもしれない。マークウルフの庇護を受けなければいけない、そうしなければラウラがラウラとして生きていけないほどの差し迫った危機が、ドイツ絡みかIS絡みか遺伝子絡みか、兎に角何らかの形で迫っているのかもしれない。
つまり、近い未来に自分は追い詰められる。
ラウラは笑いながら、歌を歌いながら、考える。
自分の敬愛する教官から出された密かな宿題の、その答えを。
(さしあたっては思考するための糖分を補給しなければな!チョコバーが最適だろう!)
(・・・とか考えてやがるな、これは。ま、提出期限は敢えて定めずに行くか)
宿題の答えが分かるまでにはまだまだ時間がかかりそうである。
それまで運命が待ってくれれば、の話だが。
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