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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
番外編 「リメンバー・ウルフ 後編」
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いのかもしれないが、とにかくそういうことだろう。先ほど口ごもったのは大方自分の存在価値がどうたらという小難しい事を考えていたに違いない。それにしても彼女はすっかりチョコバーに夢中のようだ。余程まずい飯を食べてきたと見える。まぁドイツのレーションなんかは比較的美味い部類に入るんだが、アドヴァンスドが一般兵と同じ食事をとっていたかは分からない。
クラースは仕事柄いろんな国に行く。そして行く先々で、大人に虐げられる子供たちを見てきた。子供は本来様々なことを学んで成長していくべき存在だ。そしてそれを邪魔するのは、大抵が大人。彼女の場合は自身の出自と洗脳教育によって世界がごく小さなところで完結しているのだろう。そして・・・そんな奴ほど“外”を知ってからの変化は凄まじい。
(考えてみればISの指導方法について特に“制限”はされてない・・・これは、思った以上に面白い仕事になりそうだな)
人知れず、狼は口角を吊り上げる。それが彼の生きがいであり、彼が唯一人より秀でていると感があえている取り柄だった。
「・・・それにしても本当に幸せそうに食べるな。リスみたいで可愛らしくはあるが」
「・・・はっ!?も、申し訳ありません!」
「もう一本食べる?」
「い、いえ!流石にこれ以上貰うのは・・・」
(・・・と言いつつ目がバーを捉えて離さないぞ、フロイライン)
= = =
懐かしいもんだ、と呟いた。同時にとても感慨深いものを感じる。
思えばあの頃はそこまで際の事を見越しておらず、ただ生徒達の行く末というとても限定的な範囲しか視野に入れていなかった。ISによって世界の軍事バランスは崩壊したが、値崩れした武器は次々に紛争地域に流れ込む結果になったために仕事は減らなかった。だからIS分野などどうなって模様と考えていたのだ。
今になって思えばわが社の親愛なる社長殿はこれをも見越して俺をドイツ軍に提供したのではないかとさえ思えてくる。ドイツ軍が名指しで俺を読んだと口では言っていたが、実際の所あいつがドイツ軍に提供する人材は俺が最適だのと吹き込んだ可能性だってある訳だ。
そんな疑惑は露も知らず、ラウラが眼帯を外しこちらを見上げる。邪気のない澄んだ瞳だ。当初は嫌っていた黄金の瞳を晒し、何所までも迷いなく真っ直ぐにクラースという存在を見つめていた。あの出会いから2年経ったが、邪気を孕まないこの瞳に見つめられると、もう引退してゆっくり余生を過ごしてもいい気がしてくるのだから不思議なものだ。
「あの時の教官は、我々アドヴァンスドの落ちこぼれ達にとっては希望の光でした。今は空から見守る太陽の光・・・」
「何だそりゃ。軍人を辞めて
詩人
(
ポエット
)
にでもなるのか?」
「それも魅力的ですが、拳銃を握る手をほどいては教官と同じ世界で
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