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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
番外編 「リメンバー・ウルフ 後編」
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「・・・は?」

初対面にこちらを見ての第一声がこれである。まぁ、確かに私は年齢的には子供だから詮無きことなのかもしれない。じろじろと観察されるのはあまりいい気がしない。

「なるほど、噂の遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)ってやつか。色々と貴重だろうに、クライアントも思い切ったことをする」
「いえ、私は・・・」

思わず返答に詰まる。私は落ちこぼれですから、などと言いたくはない。だが現に今の私は落ちこぼれだ。変な期待を抱かれる前にそのことを伝えたほうがいいだろうか・・・?だが、言葉を出すまでもなく私の心は見透かされた。

「成績が伸び悩んでいるわけか」
「!!!」
「そう驚かなくてもいいだろ?これでも君の2倍以上は生きているんだから顔を見れば分かるって」
「・・・・・・」

そうはっきりと言われると心臓が締め付けられるような感覚に陥る。返答を返すと自分が出来損ないであることを自身で認めるようなもの。必死に口には出すまいとする意志と、真実を認めるべきという思いの板挟みになる。
そんな私の様子を見てか、彼は後頭部をポリポリと書きながら困った顔をする。

「そんな泣きそうな顔をしてくれるなよ・・・悪かった。ほら、これやるから機嫌を直してくれ」

そういって彼が懐から取り出したのは・・・

「・・・これは、何ですか?」
「何って、チョコバーだけど・・・チョコ嫌い?」
「いえ、初めて見るもので・・・」
「・・・・・・ま、携帯食料みたいなものだ。食べてみな」

チョコという単語は知っている。が、ずっと兵士としての教育を受けてきた私は、そのチョコという食べ物を見る機会も手に入れる機会もなかったし、興味もなかった。
外見は確かに非常用の携帯食料に似ている。少なくとも軍用レーションよりは味に期待できるだろう。言われるがままに袋を破り、中身を取り出す。

(甘い香り・・・嗅いだことのない香りだ)

今までは食事もすべて軍に管理されたものだった。そしてそれは効率重視でお世辞にもおいしいと言えるものではない。それはラウラが人生初の「食欲をそそる匂い」というものに対面した瞬間であった。
口に運んでみる。ざくり、という小気味のいい音がし、次の瞬間ラウラの口の中に未だかつてない至福の味が広がる。かつてない甘さ、心地よい歯ごたえ、口内でチョコレートがとろける感触、どろりと濃厚な舌触りとカカオの香り。
本当においしいものを食べた人間は言葉を発することさえしなくなるというが、今のラウラはまさにそんな感じだろう。


無言でチョコレートを頬張り、幸せそうに眼をとろんとさせているラウラを見ながら、クラースは思考を巡らせる。

(なるほど、さては軍より外に出たことがないな?)

出してもらえなかったというのが正し
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