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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
番外編 「リメンバー・ウルフ 前編」
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るし?まぁそれは置いておいて。
第1回、そして第2回も棄権こそしたが圧倒的な実力で決勝まで上り詰めていた彼女は、実質世界一の実力を持ったISパイロットとして世界に認識されている。そして、「マークウルフ」はPMCとしてはかなり名が売れている。主に軍事教育の分野では右に出るものなしとまで言われているほどだ。そんな会社の敏腕教官が育てた部隊と世界最強が育てた部隊とを模擬戦で抜付ければどうなるか。
大方ドイツ側は「曲がりなりにも名のある傭兵会社が指導した部隊相手に、圧倒的な差を見せて打ち負かしたうちのIS部隊は世界最高の練度である」というイメージと、ついでに織斑千冬=ドイツと繋がりがあるというイメージを流してIS分野のアドバンテージを得たいとか考えているんだろう。実際問題俺は男なのでISの勝手など資料で見た以上の事はさっぱりわからん。いわゆる門外漢。どう考えても結果は見えている。
(これは後に知ったことだが、当初ドイツ軍はちゃんとしたIS教官を用意するはずだったがどうしても都合が合わず、苦し紛れにうちの会社を指名したらしい。)

当然こんな舐めた依頼断るものと俺は思っていた。が、何故か社長はOKサインを出し、「クラース行ってきて?」と俺を単身ドイツに送り込みやがった。本人曰く「ISの教導なんてPMCの仕事じゃない。でもこの件で少しでも実績を出せればIS関連で他のPMCより優位に立てる」んだそうだ。
長い付き合いだけど、どうもうちの社長は考えてることが常人とずれている。確かにこんな結果の見えた勝負なら負けても会社のマイナスイメージには繋がりにくい。だが手を出したことのない分野というのは得てして失敗をやらかすものだ。どうしてうちの社長はそういう面倒そうな依頼を受けるかね?

「そしていつも俺の所に回してきやがる!クソッ、この件が終わったら有給とって南の島でバカンスしてやる!!」


「失礼します。民間軍事会社「マークウルフ」所属のクラース・ウル・ダービシェス様で間違いありませんか?」
「・・・ん?」

ストレスに頭を掻きむしっていると、不意に声がかけられる。その視線の先に居たのは――

「本日付で貴方の部下、兼補佐役を務めさせていただきます、ラウラ・ボーデヴィッヒと申します」
(・・・小っちゃいな)

綺麗な銀髪に似合わない眼帯の少女。恐らく特注であろうドイツの軍服に身を包んだこの小柄な少女との出会いが後に二人の運命を微妙に変えていくとは、この時まだ誰も気づいていなかった。
 
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