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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
番外編 「リメンバー・ウルフ 前編」
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と後ろを振り返り、自分が敗北したことを悟って露骨にショックを受けていた。うむ、からかわれた猫みたいなそのリアクションが欲しかったのだ。教え子弄りは楽しいなぁ。
「・・・はっ!?嵌められた!?おのれ教官、この卑怯者ぉー!」
「ふふふ、相も変わらず詰めが甘い奴め。あとお口の周りにチョコついてるから拭きなさい」
ハンカチを渡してやると自分の口元をふきふきと拭きはじめた。素直でよろしい。
学園に来るまでいろんな連中に戦い方を教えて来た身ではあるが、こんな小動物でも磨けば光るセンスがある。そのセンスを目に見えるところまで磨いてやり、磨き方を教えてやる。そこまでが教官の仕事であり、そこから先は本人の問題だ。だから教え子は全員が巣立ちすることを前提としている。
が、目の前で自分の口を拭くラウラはそこまで至りながらも巣からいつまで経っても離れようとしない。困った甘えん坊だ。俺に父性を見出したという奴はそれなりにいるらしいがここまで露骨についてくるのはラウラが初めてだった。
「まったく、少佐の地位まで手に入れたんならさっさと自立すればいいのに・・・何をそこまで俺に拘るかね?」
「拘りますよ!何故ならば、教官は自分の父のような存在!自分が甘えられるのも父性を感じるのも心の底から一緒にいたいと思えるのも教官だけなのです!いわばこれは運命!!絶対に教官の養子のポジションを・・・許されるなら嫁の座を!」
「歳の差19歳で内心それ狙ってたのかこのマセガキ!?というか女は作らんと言った!!」
何故か誇らしげに俺=父親説を語るラウラだが、こんなちんちくりんに手を出せばロリコン確定であることは想像に難くない。本社の連中にいい話のネタにされてしまう。もう直視するのが眩しいほど純真な笑顔をしているが、可愛いだけでは許されないことが世の中にはあるのだ。俺には子供の世話をする時間など本当は無いし、独り身の方が気が楽だって言うのにこの教え子は・・・どうしてこんなに甘えん坊になってしまったのか。
「2年前にお前を兵士に仕立て上げたのがそこまで特別か?」
「・・・それは違いますよ、教官」
ふと、ラウラの顔から幼さが消えた。
「私は・・・いえ、私を含む当時のメンバーは皆あなたに“人間にしてもらった”んです。教官はそこまで意識してなさらなかったかもしれませんが、皆貴方の事を父親だと思っています」
「―――それは、また。正直身に余るな、ただの派遣社員としては」
思わず一瞬黙りこくってしまった。何故なら、その“人間にしてもらった”という言葉はあながち間違ってはいないからだ。
当時のドイツ軍にとってラウラ達、遺伝子強化試験体(アドヴァンスド)はどこまで行っても試験体でしかなかった。研究所で作られたがゆえに戸籍など存在せず、徹底した守秘義務によって外
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