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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第八九幕 「雛鳥・後編」
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き出される的確かつ言い訳のしようがない論理の前にベルーナの反発心は早くもぺっちゃんこにされ、現在は浅はかな思慮の畑に絨毯爆撃を受けている最中である。9割以上は既に更地にされ、恐らくこれから佐藤さんの完全監修によって再建されることになるだろう。

「・・・・・・つまり!!私が何を言いたいのかもう分かったわね!?」
「・・・もう黙って練習しません。許してください」
「むぅ、分かってるんだか分かってないんだか全然分からないんだけど・・・・・・しょーがないなぁベル君は。今回だけだぞ?」

結局、2時間以上にわたる、ベルーナの体力を考えれば最後まで倒れなかったのが不思議なくらいの説教地獄はその謝罪で終焉を迎えた。会話の終了と同時にベルーナの身体は崩れ落ちる。ある種、ここで許してくれる佐藤さんはベルーナに甘いのかもしれないが、当のベルーナはそれどころではない。

「あぅ、あ、足・・・・・・し、しびしびする・・・」

正座という体制は足の血管を圧迫するとても健康に悪い体勢である。正座をしていると血液が足の血管に上手く行き届かず、足の動脈静脈を問わずにうっ血、阻血状態になってしまう。その状態を長時間続けると・・・・・・まぁ言わずもがな、足が痺れまくる。想像を絶する痺れだったのか、ベルーナはぐったりしている―――が、痺れを経験したことのない彼の身に悲劇が。

愚かにも、彼は痺れている足を、正座を梳いた勢いのままにベッドの上に投げ出してしまったのだ。極限まで過敏になっている状態の脚をそんな風に動かしては、たとえそれが柔らかいベッドの上であっても・・・・・・

「ひゃあっ!?」

自分で投げ出した脚がベッドにぶつかり、その衝撃が血管に響く。衝撃はベルーナの全ての脚や血管周囲の神経を全力で刺激。あまりに痺れに悲鳴を上げたベルーナは先ほどより更にぐったりをベッドに崩れ落ちた。何をやっているんだか、とくすくす笑う佐藤さんだったが、次の瞬間に息をつまらせる。

「あぁああ、ぁぁぅ・・・・!み、ミノリぃ・・・助けてぇ・・・」

弱弱しく肩を上下させ、喘ぐような吐息を吐き出しながらベッドに倒れ、涙目でこちらを見上げて舌足らずな声で助けを求める少年。別になんぞいやらしい事をする訳でもないのに、何故か脳裏に「事案発生」の文字が過った。

(・・・・・・どうしよう、何かエロイ)

何と言うか、自分は今、人類の何かしらの夢を目の前にしている気がしてくる。多分ものすごく邪な夢だけど。
合法的に小さな男の子を介護させることが出来るチャンスとか、私って実はショタコンだったの?いやいやこの姿を見ればきっと自分以外でもイケナイ何かに目覚めてしまうに違いない・・・などと必死に自分に言い訳しながらも、佐藤さんはその伸ばされた手を握ってあげる事にした。


 
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